国土強靭化に資する地下空間利用の調査研究

1. 研究期間

平成26年5月〜平成27年3月(平成26年度から平成27年度の2年間研究の初年度)

2. 参加機関

幹事会: 幹事長:大成建設(株) 吉富 幸雄 氏
副幹事長:(株)安藤・間 西村 毅 氏
幹事: 三井住友建設(株)、佐藤工業(株)、佐藤工業(株)、飛島建設(株)、西松建設(株)、(株)アサノ大成基礎エンジニアリング、鹿島建設(株)(8社)
(1)第一部会: 部会長:(株)安藤・間 西村 毅 氏
副部会長:三井住友建設(株) 中森純一郎 氏
委員: 川崎地質(株)、(株)技研製作所、大成建設(株)、(株)竹中土木、中央開発東急建設(株) (8社)
(2)第二部会: 部会長:佐藤工業(株) 中山 洋 氏
副部会長:飛島建設(株) 川端 康夫 氏
委員: (株)安藤・間、応用地質(株)、(株)大林組、川崎地質(株)、清水建設(株)、(株)地球科学総合研究所、千代田化工建設(株)、鉄建建設(株)、電源開発(株)、日揮(株)(計12名、12社)
(3)第三部会: 部会長:西松建設(株) 平野 孝行 氏
副部会長:(株)アサノ大成基礎エンジニアリング 藤川 富夫 氏
委員: (株)安藤・間、応用地質(株)、川崎地質(株)、基礎地盤コンサルタンツ(株)、佐藤工業(株)、サンコーコンサルタント(株)、JX日鉱探開(株)、大成建設(株)、(株)竹中工務店、鉄建建設(株)(計12名、12社)
(4)第四部会: 部会長:大成建設(株) 吉富 幸雄 氏
副部会長:鹿島建設(株) 谷利 信明 氏
委員: (株)奥村組、株木建設(株)、(株)熊谷組、鉱研工業(株)、(株)鴻池組、JR東日本コンサルタンツ(株)、東急建設(株)、飛島建設(株)、戸田建設(株)、西松建設(株)、前田建設工業(株)(計13名、13社)

3. 補助事業の概要

(1)事業の目的
 東日本大震災の経験を契機に、政府は国土の防衛や災害時の国全体の産業活動の継続性を目的とした“国土強靭化”の方針を提示しており、平成25年12月には「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」が公布・施行となりました。また、平成26年6月には「国土強靭化基本計画」が閣議決定され、政府は今後10年間を国土の再生と強化の期間とし、国土強靭化を推進しています。
 さらに、平成26年4月にはエネルギー政策基本法に基づく第四次「エネルギー基本計画」が4年ぶりに閣議決定され、低炭素・水素社会の実現に向けた取組が加速しています。
 このような国土の防災・減災や低炭素社会の実現を考えるとき、平時から大規模自然災害等に対して高い耐久性を有する地下空間の利用は非常に有効な手段となることから、将来の望ましい社会システムの構築等に資すること目的とする。

(2)実施内容
 国民生活と産業に密接な関わりのある以下の基幹的インフラ4分野について検討を行う。

  • 情報通信基盤に関する調査研究(第一部会)
  • 産業エネルギー基盤に関する調査研究(第二部会)
  • 都市生活基盤に関する調査研究(第三部会)
  • 交通網基盤に関する調査研究(第四部会)

 なお、本テーマは平成26年度および平成27年度の2年間検討を継続し、平成26年度については初年度として調査研究の基礎となる情報収集と課題の抽出を中心に活動し、報告書を作成した。

1)情報通信基盤に関する調査研究(第一部会)

 東日本大震災では、地震動や津波による通信設備の被災や停電による通信サービスの停止など多くの情報通信に関する被害が発生した。
 本部会では、国民生活と産業の防災と減災に資する情報の円滑化・保持のための情報通信基盤整備に関する提言を目的として、資料収集と整理分析を行った。

2)産業エネルギー基盤に関する調査研究(第二部会)

 本年度は実態を把握するため、産業エネルギー基盤の脆弱性と強靭化施策について、我が国における産業エネルギーの実態、エネルギー施設の現状と課題についての調査を行い、関連施設の地下利用に関する検討候補をあげた。
 次年度は検討対象施設の再精査と施設ごとの技術的課題、経済性、法的制約条件と効果の度合いについての検討を行い、実現可能かつ効果的な提言を行うための活動につなげていく。

3)都市基盤整備に関する調査研究(第三部会)

 昨今の降雨形態や降雨強度の変化を踏まえた「新たなステージ」において、国土強靭化に向け治水・利水の両面から平常時・災害時を問わない水や水関連施設の利用のあり方について調査研究を進めるためには。災害に対する脆弱性や想定外といわれる最悪の事態、命を守ることや社会経済の壊滅的な被害の回避策を再認識する必要がある。
 本年度は、法律の実態調査、災害・治水・利水の事例調査、国土強靭化地域計画モデル実施団体などへのヒアリングを実施することで、次年度の提言に向けた基礎的情報を整理した。

4)交通網基盤に関する調査研究(第四部会)

 本年度は「交通ネットワークの防災と事業継続性確保のための交通基盤整備に関する提言」を目的として。実態を把握するために物流と人流に分けて調査を行った。物流については、全国における物資の流れを品目別および交通手段別に調査、東京圏の絞り込み調査を行った。人流については、実態調査によりマクロ的に交通手段の特性や種類をまとめ、さらに首都圏を中心にその詳細を調査した。
 次年度は物流の合理化、効率化および機能強化を目的に、交通手段の連携、代替性による交通手段の多様性、多重性を確保するための地下空間の利用について検討を進めていく。

4. 予想される事業実施効果

 ゼネコン・コンサルタント会社・エンジニアリング会社・メーカー等の幅広い業界からの委員で構成された地下利用推進部会の検討結果は、各業界を横断した英知の結晶である。
 未来のよりより日本を作ってゆくために、災害に対してたくましい地下インフラ施設整備の検討のため資料として、未来の日本を担う全ての方々のための資料として使用されることを切望する。


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