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目的
 現在、世界で生産される石油の約25%は海域から生産されており、1970年から1977年に至る8年間に世界で発見された主要油田のうち、77%は海域からであった。このことから、今後ますます海域の油・ガス田への依存度は高くなるものと考えられる。また、パイプラインに関しては、BLUE STREAM(黒海を横断しロシア~トルコ間を結ぶもの)が、最大水深2150mに設置されており、今後の大水深化も予測できる。
 我が国における海域で開発された油・ガス田のもっとも深い水深は150m程度であるが、試掘の水深に着目すると深い事例としては御前崎沖南海トラフの水深945m、三陸沖の水深の水深857mである。現在世界では、水深2000mを超える大水深海域も開発の対象となってきており、開発深度の大水深化は今後も進む傾向にある。このような状況の中で、大水深からの油流出事故を想定し、事前に環境影響を予測することはエネルギー開発の安全性の確保と環境保全の観点から重要性を持つ。
 一方、海底油田の開発時、または開発に伴う暴噴、あるいは海底坑井からのパイプラインの敷設および埋設等が引き起こす海底かく乱が環境に及ぼす影響も懸念される。
本調査事業では、海底からの油流出に関して実海域から取得した環境に係るデータや室内実験からもとめられたデータを利用し、海域における油の化学的性状変化を表現可能なシミュレーションモデルを構築するとともに、海底かく乱に伴う長期環境影響を評価することを目的とする。

「研究開発の概要」
 平成15年度から17年度の3ヵ年をかけて、海底石油開発に伴う流出油事故によって油が海水に溶出していく状況や油の成分変化が海洋環境に及ぼす影響を予測するためのシミュレーションモデルの高度化(底泥による油の吸着、光分解による原油成分の変化等の組み込み)を行う。また、海洋石油開発やパイプラインの敷設・埋設に伴う海底かく乱が環境に及ぼす影響の回復状況をモニタリングする。

「実施内容」
 平成15年度は、実海域で取得した海水および海底泥のサンプリングを用いた室内実験や分析・解析を実施し、取得したデータを使用し、シミュレーションモデルへ底泥による原油成分吸着状況を組み込んだ。さらに、海底かく乱による長期環境影響を評価するために調査を実施した。
 平成16年度は、平成15年度に実施した閉鎖条件下における海底堆積物中の原油成分残留試験を発展させ開放に近い条件下で実施した。また、昨年度に収集した流出油の蒸発、エマルジョン化や光分解のデータをもとに、シミュレーションモデルの高度化を実施した。さらに、油・ガスの掘削やこれに伴う海底構造物の構築が引きおこす海底かく乱による長期環境影響を評価するために、海底かく乱実験から5年後の深海底の環境変動を評価した。


調査海域(本土より約3000km)

ロゼットサンプラーによる採水作業

マルチプルコアラーによる採泥作業

マルチプルコアラーによって採取されたコア表面
(左:撹乱域、右:非撹乱域)

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