WE_NETではこのような技術を開発しています

 WE-NET計画は1993年度から2020年度までの28年間にわたる長期大型プロジェクトであり、これを3期に区分して、産官学共同で研究・開発を進め、2030年頃の本格的普及を目指します。
 第I期は1993年度からスタートし、水素製造から輸送・貯蔵および利用に至る広い範囲を対象に調査・基礎的研究を行います。また、第II期には、国内でパイロットプラントの建設・運転を行い、第III期には国際パイロットシステムを構築し、実用化導入に必要な技術の開発を行う予定です。

水素製造技術の開発


 WE-NET計画では、水素製造技術として、商用化段階にあるアルカリ水電解法に比べて電流密度を大きくでき、電解エネルギー効率を90%以上にできる固体高分子電解質水電解法を開発します。このため、装置の大規模化、長寿命化を達成するための技術開発を行います。

水素液化技術の開発

 水素の輸送媒体としては、メタノール、アンモニアなどの化学媒体もありますが、第I期は開発要素のある液体水素を対象に開発を進めます。このため、水素液化技術についてのプロセス最適化の検討を含め、大型コンプレッサー、膨張タービンなどの要素研究を進めます。

輸送・貯蔵技術の開発

 WE-NETの第I期計画では、輸送媒体として液体水素を対象に輸送タンカー、貯蔵設備、各種共通機器類、分散輸送・貯蔵用水素吸蔵合金についての基礎的調査・研究を行い、輸送・貯蔵システムに必要な情報を収集します。また、液体水素温度領域(-253℃)でも充分利用できる構造材料の開発に着手します。

水素燃焼タービンの開発

 水素燃焼タービンは水素と酸素のみを使って燃焼させるため、イオウ酸化物、窒素酸化物、炭酸ガスを一切出さず、環境に対して、極めてクリーンです。また、排ガスが出ないため煙突が不要で排ガス損失がなく、ガスタービン入り口温度が1700℃程度でも60%近い高効率が期待できます。第I期の開発では、パイロットプラント開発のために、1)最適システム、2)燃焼制御技術、3)タービン翼・ロータ等主要構成機器、4)主要補器類および5)超高温材料について研究を行います。


水素燃焼タービンのモデル図



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