ENAAモデルフォーム国際標準契約書

当協会では、海外におけるプラント建設工事の標準約款として、『ENAAプロセス・プラントモデルフォーム』の初版を1986年に、同改訂版を1992年、さらに2010年に刊行いたしました。これらは国内のみならず、広く海外のプラント・オーナー、エンジニアリング業界、法曹界などからも高い評価を受けておりますが、この度2010年版に更なる改訂を施し、2023年版を発行いたしました。
また、1996年には、海外におけるパワー・プラント建設工事向けの『ENAAパワー・プラントモデルフォーム』の初版を、2004年には、わが国初の『国内プラント建設契約約款』初版を刊行いたしております。さらに、2007年には、請負者の所掌を、設計と資機材の調達・供給に限定した『ENAAプラント設計・調達・供給契約モデルフォーム』初版を刊行いたしました。
昨今の流動的な国際経済下でのプラントビジネスにはリスク管理が不可欠であり、そのためにも契約締結時に想定される様々な責任関係の明確化が強く求められております。
各種のENAAモデルフォームは、プラントビジネス関係者にとって、国際契約に対する理解と適確な契約交渉のための有力な手引書として幅広くご利用いただけるものと考えております。

ENAAモデルフォ-ムの種類

(1)海外プラント用
「プロセス・プラント版」1986年初版発刊、同改訂版1992年発刊、同改訂版2010年発刊、同改訂版2023年発刊
「パワー・プラント版」1996年初版発刊、同改訂版2012年発刊
「プラント設計・調達・供給契約版」2007年初版発刊、同改訂版2013年発刊

(2)国内プラント用
「国内プラント建設契約約款」2004年初版発刊
「同・逐条解説」2006年、日刊工業新聞社より発刊、第2版2011年発刊、第3版2020年発刊

海外プラント用ENAAモデルフォ-ムの特徴

世界銀行、その他欧米主要関連団体・顧客・コントラクタ-企業等の意見を勘案すると共に、国際的な法律事務所及び公認積算士等による内容確認・コンサルテ-ションを経て作成されたもので、客観性・公平性を重視し、発注者及び請負者双方の立場に配慮した内容となっております。

このため、世界銀行でもプロセス・プラント1992年改訂版をベ-スとしたStandard Bid Documentsを作成している他、世界的にも知名度が上がり、各方面から多くの問い合わせが来る様になってきております。

海外プラント用各種ENAAモデルフォ-ムの特徴

  1. プロセス・プラント版2023年改訂版

    1986年に初版を完成し、以後利用者の一層の期待に応えるため、2年以上の歳月をかけ1992年に改訂版を完成いたしました。特記事項として、世界銀行の各案件で使用されるStandard Bid Documents初版(1996年1月発行)は、このプロセス・プラント1992年改訂版を参考として作られております。
    それ以降、プロセス・プラント版は、各種工業プラントに係わるエンジニアリングおよび建設の分野において、発注者と請負者の双方から歓迎され、世界銀行の案件を含め世界中の多くのプロセス・プラント建設プロジェクトにおいて使用されています。
    2010年改訂版刊行後10年以上が経過し、この間にも契約責任を明確化させる傾向は依然として続いており、また建設関連法規の進展や社会情勢の変化等にも配慮する必要があります。そうしたプラント市場や社会の変化を踏まえ、責任やリスク配分を明確化することを目的に、同改訂版を見直し2023年版を刊行するに至ったものです。契約の枠組みや発注者と請負者のリスク分担については原則として初版以来の基本的な考え方を踏襲しており、従来版の利用者にとっても無用の混乱は無いものと考えています。

     

    特徴:

    (1)発注者及び請負者双方にとって使いやすい公平な条件を整備
    (2)文章を簡明とし、技術者にも容易に理解できる内容
    (3)プロセス・プラントに限らず多様なプラント建設工事発注形態に対応し得る標準契約書
    (4)工事に必要な標準手続・手順を明記したプロジェクト実行手順書のサンプルの提供(1992年改訂版)

     

    内容:

    プロセス・プラント版2023年改訂版は、以下のように構成されております。
    ・Form of Agreement(契約書)
    ・General Conditions(一般条件書)
    ・Appendix 8 (Form of Bonds)
    ・Guide Notes(手引書・・・英文)
    ・Guide Notes(手引書・・・和文)

     

    プロセス・プラント版2023年改訂版は、下記1992年版のうち、Vol.1、Vol.2 (Appendix 8のみ)及びVol.3に相当するものです。条文で参照している附属書類の構成や名称は、1992年版のVol.2、4及び5のそれを流用しております。
    プロセス・プラント版2023年改訂版は、2023年改訂版及び1992年版(Vol.1,2,4,5)の両方を含みます。

     

    <参考>
    1992年版の内容:
    以下のように構成されております。
    Vol.1 Form of Agreement and General Conditions(契約書及び一般条件書)
    Vol.2 Samples of Appendices(付属書)
    Vol.3 Guide Notes(手引書)
    Vol.4 Work Procedures(プロジェクト実行手順書)
    Vol.5 Alternative Form without process license(代替フォ-ム)


    ※申込み要領は<こちら

  2. 発電プラント版2012年改訂版
    1992年に改訂されたプロセス・プラント国際標準契約書の実績及び、工業社会に向けてのインフラストラクチャー整備の重要な部分である発電プラント建設に即した国際標準契約書の必要性に応えるために、プロセスプラントでの実績を踏まえ、4年の歳月をかけ、英国法律事務所の協力も得て1996年に初版を完成致しました。

    しかしながら、92年改訂版刊行後10数年が経過し、この間にプロジェクトの大型化や、プロジェクト・ファイナンス方式の定着により、プロジェクトのステークホルダーが多様化し、契約責任を明確化させる傾向が強まっています。そのような世の中の流れを踏まえ、責任やリスク配分を明確化することを目的に見直しを行い、プロセス・プラント建設用にプロセス・プラント92年改訂版を改訂してプロセス・プラント2010年版を刊行したわけですが、発電プラント建設用にもそれらの見直しを行った改訂版を刊行することと致しました。
    契約の枠組みや発注者と請負者のリスク分担については原則として発電プラント1996年版の基本的な考え方を踏襲しており、また、プロセス・プラント標準契約書に比較して発電プラント標準契約書が有する特徴についても発電プラント1996年版の考え方を維持しており、旧版の利用者にとっても無用の混乱は無いものと考えています。

     

    特徴:
    (1)フルターンキー・ランプサム・ベースの発電プラント用。
    (2)発注者および請負者双方にとって使いやすい公平な条件。
    (3)Commissioning、信頼性試験等引渡しに関連する規定および性能保証に関連する規定の重視と拡充。
    (4)プロジェクト・ファイナンスによる場合の留意点について、手引書の付録で考察を加えたこと。

    内容:

    以下の2巻3分冊から構成されています。
    ・Form of Agreement and General Conditions (契約書及び一般条件書) 
    ・Guide Notes(手引書・・・英文)
    ・Guide Notes(手引書・・・和文)
    <参考>
    1996年版の内容:
    以下の3巻4分冊(第3巻のみ英文および和文。その他は英文のみ)から構成されています。
    Vol.1 Form of Agreement & General Conditions(契約書および一般条件書)
    Vol.2 Samples of Appendices to the Agreement(付属書)
    Vol.3 Guide Notes(手引書)

    ※申込み要領は<こちら

  3. プラント設計・調達・供給契約版2013年版
    プロセス・プラント92年改訂版や発電プラント初版は、建設・施工までを一括で請負者の業務範囲としていますが、本約款では、建設・施工を発注者の所掌とし、請負者の所掌は、設計と資機材の調達・供給に限定される場合を想定しています。

    このような業務範囲はプラント建設においては典型的とは言えないため、海外においても、対応した標準契約約款はほとんど見当たりません。しかしながら少なからず存在するこのような業務範囲をカバーする約款に対する需要を感じ、当協会ではエンジニアリング、総合建設分野に携わる各社の委員で構成される、サプライフォーム制定部会を発足させ、主に下記の前提に基づき、約款制定を行いました。

    本約款は、プラント契約分野では国際的に著名である英国ロヴェルズ法律事務所のニコラス・グールド弁護士およびアンソニー・マーシャル弁護士のアドバイスを受けて、2007年3月に刊行いたしました。

     

    特徴:
    (1) ENAAプロセス・プラント92年改訂版をベースとしている。
    (2) 製品生産プラント一般を対象とするが、ライセンス供与は除外する。
    (3) 工事現場における、設計管理や建設・施工助成を実施する場合は、別契約とする。

    しかしながら、プロセス・プラント92年改訂版刊行後10数年が経過し、この間にプロジェクトの大型化や、プロジェクト・ファイナンス方式の定着により、プロジェクトのステークホルダーが多様化し、契約責任を明確化させる傾向が強まっています。そのような世の中の流れを踏まえ、責任やリスク配分を明確化することを目的に見直しを行い、プロセス・プラント建設用にプロセス・プラント2010年改訂版を刊行し、発電プラント建設用に発電プラント2012年改訂版を刊行したわけですが、本約款についてもそれらの見直しを行い、2013年改訂版を刊行するに至ったものです。
    契約の枠組みや発注者と請負者のリスク分担については原則として2007年初版以来の基本的な考え方を踏襲しており、従来版の利用者にとっても無用の混乱は無いものと考えています。

     

    内容:
    本標準契約書は、1巻1冊(英文合計約125ページ)、更に付属品のCDから構成されております。

    書籍
    :Agreement(契約書)
    :Samples of Appendices(付属書)
    :General Conditions(一般条件書)
    :Guide Notes(手引書)

    なお、付属CDには上記の4Contentsの他に、下記のSample Formが含まれます。
    :Sample Form of Technical Service Agreement(技術サービス契約)

    ※申込み要領は<こちら

本標準契約書は、法務ご担当者のみならず、プロジェクト・営業他ご担当者の必携の書としてご利用いただけるものと確信いたしております。

各位におかれましては、契約上・プロジェクトマネジメント上のより深いご理解のために添付の申込要領をご参照され、お申し込みいただきたくご案内申し上げます。

 

お問い合わせはこちらお申込みはこちら

PAGETOP