「《第308回 サロンドエナ》」開催のご案内

日時

平成20年6月18日(水)  17:30~20:00

場所 当協会 6階 CDE会議室
会費 3,000円(非会員 5,000円)(当日受付にて申し受けます。)
プログラム ● 講 演(17:30~19:00)
  [テ ー マ] 有機リン系農薬に関する開発の経緯並びに毒性について
― メタミドホスからサリン、神経毒まで ―
  [講  師] 古川 尚道(なおみち) 殿
国際科学振興財団(茨城県つくば市) 専務理事
  [講演趣旨]

中国製ギョーザ中毒事件が発覚したのは今年1月末のことであった。その後、真相解明の努力が日中でなされたが、殆ど解決には至らなかった。今月、5月7日の日中首脳会談で、胡主席は「一日も早く事件の真相を解明するよう努力する」と述べた。今後の捜査の進展が望まれる。
中国に限らず、日本でも有機リン系農薬は現在でも使用されて続けている。今後、有機リン系農薬が間違って我々の口の中に入らないと断言できない状況にある。現状では、自分の身は自分で守るより方法は無い。今回は、これまで殆ど知られていなかった有機リン系農薬について、開発の経緯、特性、毒性等について論じ、経口被毒した場合の中毒症状、簡便な解毒方法、被毒者の応急処置並びにその応急処置の際の二次被毒の可能性について紹介する。
有機リン系農薬は1930年代にドイツのバイエル社がジャガイモの害虫駆除剤として開発し、TEPP、HEPPのようなリン酸エステル系の有機リン化合物を世に出したことが最初である。この有機リン化合物は神経毒としての毒性が強過ぎ、農薬というよりは化学兵器として利用する研究がナチスドイツにより秘かに進められ、有名なサリン等が合成された。その後、化学構造の似たEPNやパラチオン等が開発され農業の生産性向上に大いに寄与した。
反面、その強力な毒性のため多くの人が亡くなり、また環境汚染を引き起こす等大きな社会問題となり農薬としての使用が世界中で禁止された。その後も強力な殺虫効果を持つ有機リン化合物は農薬として更に改良され、人間に対して毒性の弱い化合物が合成され、現在でも市販されている。
問題は、これらの市販されている毒性の弱い有機リン系農薬が我々の口の中に入った場合、毒性の弱いものが体内でより毒性の強いものに変化する可能性が極めて高いことである。今回は、有機リン系の農薬から自分の身を守る自衛手段で普段の日常生活でも実施可能な簡便な方法を紹介する。

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