一般財団法人エンジニアリング協会

2008年に発生した金融危機の後、我が国を取り巻く環境には大きな変化が起こっている。先進国の高付加価値市場の蒸発、新興国市場の堅調な経済回復、特にアジアにおける中間所得層の著しい成長を背景に、経済のグローバル化の中で、日本企業の成長戦略にも変化が求められている。人口減少下にある日本の国内マーケットに高成長が望めない中で、アジア市場を中心とした新興国市場の存在は日本企業の成長戦略上、今後ますます重要になることは明らかである。
海外市場を勝ち抜くためには、地域単位で急速かつ多様に変化するニーズに対応したイノベーション創出が必要となる。このイノベーション創出の源泉は人材であり、海外市場で訴求力のある商品・サービスを提供するためには人材の多様性を高めるとともに、人材間の融合・協働が求められる。また、その実現には、日本企業の根幹を担う国内人材の国際化、企業組織の国際化も重要な課題となっており、海外進出企業には真のグローバル企業への変革が求められている。
エンジニアリング業界でも、企業のグローバル展開とローカリゼーション（技術移転ならびに人材育成）が、企業再生への重要課題と位置付けられ、その対応が強く求められている。
本講演では、企業における「人材の国際化」に向けた取組みに関するアンケート結果等に基づき、①人材の国際化の必要性、②国際化指標、③人材の国際化に向けた今後の課題についてご講演頂く。