一般財団法人エンジニアリング協会

我が国のエンジニアリング産業が海外展開を進めるに当たり、アジアは今後ますます重要な地域になっていくと考えられますが、その際、基本的なリスク要因である軍事情勢について客観的認識を持つことは極めて重要なことと思われます。
現在、政府レベルで新しい日米関係の構築や東アジア共同体構想が模索されていますが、外交関係の基礎に軍事バランスがあることは言うまでもありません。我が国は戦後六十数年間、安定した日米関係の下に順調な経済発展を遂げてきましたが、近年のアジアにおける軍事バランスの変化を踏まえ、今後の我が国の安全保障体制の冷静な把握と点検が必要となっています。
本講演では、第一線の戦闘機パイロットとしての豊富な経験と共に、外務省国連局軍縮室勤務や近年最重要方面となった南西航空混成団司令を経験され、軍事評論において高い見識を持たれている佐藤守　元空将に「我が国企業の海外展開において考慮すべきアジアの軍事情勢」について、現実の戦闘能力の比較や関係諸国の地政学的戦略分析等を踏まえて講演していただきます。