第107号/1998.8
■研究成果発表会'98開催
■第40回定例理事会開催
■地下利用推進部会部会編成について
■線状施設回避型の地下水保全・浄化システムに関する調査研究分科会発足
■新聞記事・テレビからの紹介
■会員の皆様へのお知らせ
■研究成果発表会'98開催■

当協会では、7月7日(火)〜7月10日(金)の4日間、恒例の研究成果発表会を開催いたしました。地下開発利用研究センターは最終日の午後より山口専務理事の挨拶に引き続き、平成9年度の分科会、委員会等の研究成果について発表を行いました。当日は、各セッションとも多数の方々の参加を得て、当センターの活動に対する高い関心が示されました。
当センターの発表テーマならびに発表者は、以下のとおりです。
「地下利用推進部会活動成果報告」
新分野開発専門部会 部会長 : 森 清就氏(褐F谷組)
都市開発・産業育成専門部会 部会長 : 中野 重夫氏(東京ガス)
プロジェクト研究専門部会 部会長 : 藤川 富夫氏(東急建設)
「災害時の地下避難施設に関する調査研究」
分科会 作業部会リーダー : 大川 孝氏(大成建設)
「給水・給電等システムを考慮した複合型地下防災システム構想に関する調査研究」
分科会 作業部会リーダー : 石川 浩次氏(中央開発)
「重泥水により作動する高出力CAESに関する調査研究」
分科会 ハードワーキング部会委員 : 中田 雅夫氏(三井建設)
同 上 ソフトワーキング部会部会長 : 竹村 友之氏(三井金属資源開発)
「広域熱供給システムの実現化に開する調査研究」
委員会 事務局 : 大崎 一仁氏(鞄建設計)
■第40回定例理事会開催■
6月29日(月)、通商産業省機械情報産業局産業機械課長の藤田昌宏氏を来賓にお迎えし、第40回定例理事会が開催されました。当日は、前任の佐伯専務理事が6月18日付で退任され、6月19日付で戸倉専務理事が就任されたことに伴い、この場を借りて挨拶がなされました。
なお議題は次のとおりで、いずれも原案のとおり承認されました。
第1号議案: |
平成9年度事業報告および決算報告の承認について |
第2号議案: |
平成10年度日本自転車振興会から補助金を受け入れて補助事業を実施することについて |
第3号議案: |
役員選任について |
@理事長の交替について
新理事長には、平成6年7月以来当協会理事として、協会事業に深く関与いただいている園田保男氏(東洋エンジニアリング椛纒\取締役社長)にお願いすることで承認されました。なお、前理事長の渡辺英二氏には、従来と変わらぬご指導、ご鞭撻をいただくため、前例に則り顧問に就任いただくことで承認されました。
A理事および監事の交替について(7月1日付)
次の方々の交替がありました(敬称略・50音順)。
<理事>
新任 |
秋草直之(富士通椛纒\取締役社長) |
辞任 |
関澤 義 |
新任 |
淺村 峻(新日本製鐵椛纒\取締役副社長) |
辞任 |
鎌田吉郎 |
新任 |
沢 邦彦(富士電機椛纒\取締役社長) |
辞任 |
中里良彦 |
新任 |
重久吉弘(日揮椛纒\取締役社長) |
辞任 |
渡辺英二 |
新任 |
花田公行(三菱重工業椛纒\取締役常務取締役) |
辞任 |
伊藤俊明 |
新任 |
山本貞一(川崎製鐵且謦役副社長) |
辞任 |
君嶋英彦 |
<監事>
新任 |
南浦基二 伯友ケミカルエンジニアリンク椛纒\取締役社長) |
辞任 |
宇田龍三 |
■地下利用推進部会部会編成について■
本年度からの地下利用推進部会は下記の3部会編成となりました。なお、各部会の人員ならびに活動概要は以下のとおりです。
今後、第1回幹事会を開催するとともに、引続き参加メンバーの皆さんへ部会発足のご案内を申しあげる予定です。
地下利用推進部会部会編成
部会名称(仮称) |
人員 |
活動概要 |
地下利用促進専門部会 |
27名 |
マスタープラン(基本構想)に基づき、今後の地下空間利用を推進する上で、必要と考えられる社会的ニーズ、法制度、事業性ならびに技術的課題などを抽出検討し、長期的視野に立った地下開発利用の促進を図る。
|
都市再構築専門部会 |
26名 |
現在ある都市基盤の再構築ならびに次世代の都市構築について、地上と地下との使い分け・組合せによる立体的空間利用を考え、インフラ、エネルギー、防災、環境および流通システム等の課題への対応を図る。
|
地域プロジェクト構築専門部会 |
16名 |
これまでのプロジェクト研究部会の成果を活用し、さらに地域に密着したプロジエクトの発掘・展開等を図る。 また21世紀に向けた新規産業の創出をめざし、地下空間の特質を活かした新しい産業の可能性を探る。 |
■線状施設回避型の地下水保全・浄化システムに関する調査研究分科会発足■
本年度の社会開発システム策定事業の一つとして、標記分科会が7月28日(火)に発足しま
したので、概要を以下にご紹介します。
1.背景・目的
近年、地下における地下鉄、道路、地下河川や半地下式の道路等の線状構造物が活発に建設されている。
このような構造物と地下水との関わりの中では、主に周辺環境における地盤沈下や構造物における漏水や耐久性といった観点からの検討がなされてきた。
一方、最近の環境共生に対する認識の高まりの中では、より広域的な環境保全といった観点からの地下水や水質の保全等が注目されるようになってきている。
しかし、線状構造物において地下水を中心とした環境共生・創出を具体化した例は極めて少なく、その考え方や技術的方法、環境の予測や設計手法についても未だ有用なものがない。
そこで本調査研究では、線状構造物を構築する際に、広域的な地下水環境を保全する方策や積極的な浄化、植生の再生等を考慮した対策について提案することを目的とする。
2.調査研究内容
本年度は、環境との共生を念頭に置いたときの問題点や技術的課題を抽出し、その対策について提案する。
(1)具体的な線状構造物の事例調査
地下構造物と半地下構造物のうち、線状構造物の具体例(計画中も含む)を全国的に調査し、
その状況より2〜3例を具体的検討課題として抽出し事例研究を行う。
(2)線状構造物を横断する地下水通水経路の構築方法の研究
既設の施工例を含めた地下水迂回通水経路の構築方法について調査研究する。
(3)地下水取水・涵養方法の研究
線状構造物構築後の環境負荷の少ない水収支を実現するための地下水取水および涵養方
法について調査研究する。
(4)水質浄化方法・目詰まり対策の研究
安定した水収支や地下水保全を図るための水質浄化方法および目詰まり対策について調
査研究する。
3.実施体制(敬称略)
分科会長
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西垣 誠
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岡山大学 教授 環境理工学部 環境デザイン工学科
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委 員
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福原 輝幸
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福井大学 教授 工学部 環境設計工学科
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〃
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三木 博史
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土木研究所 材料施工部 土質研究室 室長
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〃
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河西 基
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(財)電力中央研究所 我孫子研究所
バックエンドプロジェクト天然バリアチームリーダー
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〃
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宮川 彰彦
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(財)エンジニアリング振興協会
地下開発利用研究センター
研究理事
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〃
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大石 富彦
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関西電力(株)土木建築室 土木課 課長
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〃
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橘本 雅宏
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梶谷エンジニア(株)東京支店 調査部 次長
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〃
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伊藤 洋
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(株)熊谷組 技術本部 土木技術開発部 副部長
|
〃
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森 清就
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(株)熊谷組 エンジニアリング本部
Re-エンジグループ 部長
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〃
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伊藤 克彦
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(株)鴻池組 土木本部 技術企画部 部長
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〃
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山口 隆志
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新日本製鐵(株)建材開発技術部 部長代理
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〃
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飯田 毅
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住友金属工業(株)建材事業部 建設技術部 部長
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〃
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井田 隆久
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(株)錢高組 技術本部 技術研究所 所長
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〃
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大川 孝
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大成建設(株)土木営業本部 営業部 営業部長
|
〃
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小俣 明
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(株)ダイヤコンサルタント 東京事業部 地盤物性部 部長
|
〃
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西牧 均
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戸田建設(株)土木技術開発室 プロジェクト・マネージャー
|
〃
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吉村 和彦
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(株)間組 技術本部 技術研究所 技術研究部
第一研究室 室長
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オブザーバー
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小澤 典明
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通商産業省 機械情報産業局 産業機械課 課長補佐
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〃
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小林 秋穂
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通商産業省 環境立地局 産業施設課 課長補佐
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事務局
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田中 茂樹
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(財)エンジニアリング振興協会
地下開発利用研究センター主任研究員
|
〃
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山下 栄司
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(株)熊谷組 エンジニアリング本部 Re-エンジグループ 係長
|
〃
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村田 均
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(株)熊谷組 技術本部 土木技術開発部
新建設技術グループ 係長
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■新聞記事・テレビからの紹介■
○「川崎競輪場」地下に建設へ(7月8日付 読売新聞より)
施設の老朽化などから新たな競輪場の立地を検討してきた川崎競輪場整備方針検討委員会は、川崎市川崎区富士見の川崎競馬場の地下に建設することなどを盛り込んだ答申を高橋清市長に手渡した。順調に行けば、新装オープンは平成16年の見通し。同委員会では、「競馬場と競輪場の複合化で、世界に例を見ない新しいアミューズメント空間が創設される」と、効果に期待を寄せている。
委員会では、@競馬場への移転A臨海部への移転B現在地での建て替えを検討してきたが、このうち臨海部については、土地取得費用や集客性の観点から、また、現在地についても地区一帯を本格的な都市公園に整備する計画があることなどから不適とされた。競馬場への移転は、馬場内駐車場部分(約4ha)を活用して、地下約20mに400mバンクとスタンドなどを建設する計画となっている。
建設費は概算で、240〜250億円と見込まれている。今後は、平成13年の着工を目指して地権者や農水省など関係方面との協議が行われることになっている。
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○大深度地下利用の特集放映(7月 21日 MXTV 東京ニュースにて)
臨時大深度地下利用調査会の答申が提出されて、再び大深度地下利用への期待が高まる中、7月21日(火)にMXテレビの東京ニュースにて「大深度地下利用」の答申の趣旨とその必要性について放映されました。
(内容をお知りになりたい方は、当センターまでご連絡ください。)
■会員の皆様へのお知らせ■
○臨時大深度地下利用調査会答申の解説書紹介
この度、国土庁大深度地下利用研究会の取りまとめにより、下記の図書が発刊されましたのでご紹介いたします。
本書は、答申の重要なポイントについて、イラストや統計データを交えつつ、わかりやすい解説を加えているばかりではなく、有史以来の人類の地下利用の歴史、内外の現在の地下利用の事例や、今日、大深度地下利用が再び脚光を浴びるようになった経緯などが紹介されています。また、巻末では、答申本文、審議経緯などの調査会に関する基本資料と大深度地下利用についての用語集が納められています。
大深度地下利用の課題と展望
臨時大深度地下利用調査会答申の解説
編著:国土庁大深度地下利用研究会
A5版 定価3,150円
(本体3,000円十消費税)
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申込先:
| 〒100‐8972
東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
国土庁大都市圏整備局計画課内
国土庁大深度地下利用研究会
TEL:03‐5510‐8046/FAX:03‐3501‐6534
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