第204号/2006.9

■第289回サロン・ド・エナ講演会 報告

■エンジニアリングシンポジウム2006開催のご案内

■日本自転車振興会補助事業 調査研究各委員会 報告

■会員の皆様へのお知らせ




■第289回サロン・ド・エナ講演会 報告■
 

講師 : 武蔵工業大学 学長 中村英夫氏
交流会にて

 

 恒例の第289回サロン・ド・エナ講演会は、7月26日(水)17時30分から武蔵工業大学学長 中村英夫氏をお招きして開催しました。「都市の再生について」と題した講演は、世界の都市に比べて日本の都市の快適さや景観は極めて劣悪であり、再生する必要があることを強調され、世論が注目する日本橋上の首都高の地下化の実現についての取組みなど非常に有意義で興味深いお話をしていただきました。

 満員となった会場は、熱気に溢れ講師のお話に熱心に傾聴し、感銘を受けた様子でした。
講師は、「都市の再生について」その重要性を前面に押し出し、日本人の持つ心の原点に帰り、愛情を込めて再生すべきとし、世界に誇る日本の自然を大切にし、国土に「品格」と「美」を持たせるべきと訴えています。日本橋景観復元は、その一例に過ぎないと指摘し、日本橋の景観復元をはじめとするこの地区の再生が本格化するまで精力的に取組むべきと述べられました。

 そして、日本橋だけでなく日本中にあるこの種の問題解決のために、今後、我々がどう取組むべきかとその方向を示唆されました。講演後のアンケートに答えられた大多数の方々が、このような話を賞賛し、講師に元気づけられたと喜んでおられました。

 講演後の懇親会でも多数の方と気軽に談笑されるなど交流も深め散会となりました。今回の参加者数は、総数で150名近くとなり大盛況でした。

 講師の中村英夫学長は、今回の講演のための資料をご自分でご用意され、「都市の再生」にライフワークとして取組んでおられる姿勢が活き活きとして感じられ、聴衆の皆さんも勇気づけられました。講師の益々のご活躍を期待するところであります。

 今回のサロン・ド・エナが大盛況となって終わりましたこと、紙面をお借
りして改めて講師と参加者の皆様へ厚く御礼申し上げます。
 




■エンジニアリングシンポジウム2006開催のご案内■
   □未来に貢献するエンジニアリング−構想力・実現力・人間力□

日 時:2006年10月19日(木)・20日(金) 場 所:大手町サンケイプラザ
◆お申し込み方法:  
当協会のWEBサイト(ホームページ)からお申し込みください。(http://www.enaa.or.jp)WEBサイトの
 受付登録画面は個人受付専用ですが、従来どおり複数一括の申し込みもできます。その場合は、恐縮ですが、「複
数申し込み用紙」から用紙をダウンロードし、e‐mail (sympo‐ad@enaa.or.jp)にてお申し込みください。
また、社内へのご案内にもこのWEBサイトをご利用ください。「参加証」は、参加費振込確認後お送りします。
◆ 申込〆切 :2006年10月6日(金)    ◆参加費  :シンポジウム&交流会とも 15,750円 (消費税込み)
◆プログラム 
10月19日(木) 9:00開場

大手町 サンケイプラザ
時間 4F ホ ー ル

9:30

11:30

開会挨拶    (財)エンジニアリング振興協会理事長  関 誠夫(千代田化工建設梶@代表取締役社長)
    エンジニアリングシンポジウム2006実行委員長  村松映一(樺|中工務店 取締役副社長)
招待講演  「シャープのオンリーワン経営」  町田勝彦 シャープ椛纒\取締役社長
昼 休 み

12:30

14:00


特別講演  「転換する社会構造と変貌する産業理念」月尾嘉男  東京大学名誉教授
コーヒーブレイク

14:30

16:50


パネルディスカッション「未来を拓く構想力」 パネリスト 坂村 健 東京大学 教授
                  岡部憲明 建築家/神戸芸術工科大学教授
司 会 元村有希子 毎日新聞社科学環境部記者

10月20日(金) 9:00開場

3F 会 場
時間 未来を創る構想力 夢を形にする実現力 豊かな心を育む人間力

9:15

 

10:45

A−1  ラービグ・
プロジェクト始動!
・・・サウジアラビアでの
超大型石油精製・石油化学事業
石飛 修
住友化学
代表取締役専務執行役員
B−1  現場力と見える化


遠藤 功
早稲田大学大学院教授
潟香[ランド・ベルガー会長

C−1 人口減少社会は怖くない


原田 泰
椛蝌a総研チーフエコノミスト

休     憩

11:00

 

12:30

A−2  秋葉原先端技術
テーマパーク構想
妹尾堅一郎
産学連携推進機構理事長
B−2  未来を拓く
"slimジャパン"構想
和田雄志
(財)未来工学研究所
21世紀社会システム研究センター長
C−2 技術者倫理と価値の創造
−技術者が重視すべき価値とは何か−
 札野 順
金沢工業大学教授
科学技術応用倫理研究所所長
昼 休 み

13:30

 

15:00

A−3 「構想」にもとづく
      研究開発展開
坂内正夫
東京大学生産技術研究所教授
B−3 世界に誇る天平の    遺産を未来へ繋ぐ
松田幸雄
概BSテレビ事業本部事業局
文化事業部長
C−3 プラントエンジニアリング
とIT(産学人材交流センター企画)
増川順一
千代田化工建設
ITマネジメントセンター長代行
コーヒーブレイク

15:30

 

17:00

A−4 知恵をしぼり、
最先端医療機器の開発へ
丸山次郎
潟Aールエフ代表取締役社長
B−4 「はやぶさ」探査機の   
運用と、困難への挑戦
川口惇一郎
宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究本部教授
C−4  プロジェクト思考の   人材育成
宮田秀明
東京大学大学院工学系研究科教授

※ 交流会:10月20日(金)17:10〜19:00 於)4F ホール


 



■日本自転車振興会補助事業 調査研究 各委員会 開催報告■


□産業プラント操業における土壌汚染リスクのマネジメント・エンジニアリングに関する調査研究
標記調査研究の第1回委員会(委員長:佐藤 雄也 中央大学大学院公共政策研究科教授 同理工学部教授)が7月19日(水)エン振協会議室で開催されました。本調査研究の目的は、操業事業所における漏洩事故等の汚染事例、及びその対応策の事例を収集調査し、土壌汚染に関する未然防止策などリスクマネジメントのあり方を検討し、将来的なマネジメントシステム導入に関する提言を行うことであります。平成17年度事業では、5つの業種(電気機器、鉄鋼、化学、石油精製、自動車)で環境保全分野に関する斯界のリーディング・カンパニーといわれる企業の協力を得て、ヒアリング及び現地調査を行い、得られた情報をもとに、適用可能な対処方法やリスクマネジメント方法を整理しました。本年度の事業ではソフト面、ハード面を考慮した統合的なリスクマネジメントシステムについて、その構築と導入の意義を追求するため、以下の内容について調査検討を進めるものです。
@ 未然防止の効果を客観的に評価するために、自治体等で所有する土壌汚染の原因行為に関する情報を収集し、これらの統計的データをもとに事故原因や要因、その背景を精査する。
A 規制緩和の進展、リスクの多様化、経営管理のあり方の変化、あるいは説明責任の増大など、様々な社会背景の変化と土壌汚染とのかかわりの事例についてとりまとめを行い、企業の未然防止に対する意識を高めることを目的とした調査を実施する。
□地域産業活性化をめざした水素エネルギー供給利用システムの実現化の調査研究
標記調査研究の第1回委員会(委員長:松下 潤 芝浦工業大学教授)が、7月27日(木)エン振協会議室で開催されました。先ず、作業部会長(松下博文 椛蝸ム組)から昨年度の調査研究結果を踏まえた平成18年度・調査研究目標及び、今後のスケジュールが説明されました。
審議の結果、今年度の調査研究方針と計画スケジュールについて承認されました。
続いて、青森県からアドバイザー参加の石戸彰主査より「青森県エネルギー戦略」の中で水素利用の将来展望が紹介され、今年度調査研究に対するアドバイスを頂きました。
□IT技術を活用した災害時の救援オペレーションシステムに関する調査研究
標記調査研究の第1回委員会(委員長:山本 幸司、名古屋工業大学大学院教授)が、8月9日(水)にエン振協会議室で開催され、本年度の調査計画(案)が承認されました。
1.研究目的:切迫性が指摘される東海地震や、大規模な被害が広範囲にわたると想定される東南海地震等の巨大災害に対して、周辺都市のみならず都道府県界を跨いだ広域的な協力関係による災害時の迅速かつ的確な復旧・復興対応を実施するためのマネジメント戦略について方法論を提起するとともに、広域応援のエンジニアリングのあり方について検討を行う。
2.今年度の研究計画:主査企業である熊谷組を中心に、今年度は次の調査研究を行う。
1)ネットワーク構想における未調査箇所の整理  
@新潟県中越地震の問題点把握(行政へヒアリング)
A緊急物資輸送業界ニーズ把握(物流、コンビニ業界ヒアリング)
B東海地震を対象とした行政ニーズの把握
C交通情報の提供システムの現況調査
2)民間サイドにおける情報ネットワークの概念構築






 


■会員の皆様へのお知らせ■

□第290回サロン・ド・エナ開催のご案内
日 時 :平成18年9月20日(水)17:30〜(於:当協会6階CDE会議室)
講 師 :宇賀神 博 殿 武蔵野大学人間関係学部教授 (財)鉄道総合技術研究所人間工学研究室長、
   (財)原子力発電技術機構ヒューマンファクター事業実施委員会委員などを歴任
テーマ : ヒューマン・エラーは、なぜ多発するのか −エラー・マネジメントをいかにすべきか−

講演要旨:平成16年、大手金融機関再編時のネットワーク障害、さらにその翌年には証券取引システム障害などが発生し、その被害総額の大きさと企業イメージを大幅にダウンさせた事は記憶に新しい。一方、安全運行が最大使命である公共交通機関においても種々のトラブルが続発している。
 例えば、平成17年4月のJR福知山線脱線事故のような大事故や、同月羽田において補修中の滑走路に着陸してしまった旅客機のうっかりミスなど、マスコミに大きく取り上げられる事例も多い。このような一連のトラブルの要因や背景には、ITソフトや機材の不具合以上に、ヒューマンエラーに起因するケースが多いと言われている。そこで今回は、産業心理学や安全人間工学の立場から、企業全体のシステムや環境を整え、組織構成員の行動を変えることで、意識の変革を促し、エラーを障害や事故に発展させない可能性を高めることが出来るとする武蔵野大学 宇賀神教授をお招きし、企業におけるヒューマンエラー回避の仕組作りや、経営層や管理者として心がけておくべき事など、事例を交えてお話を伺う。(講演終了後、懇親立食パーティがあります) 
申込要領:FAXで事務局へお申し込み下さい。申込多数の場合は先着順で締め切らせていただきます。
     地下開発利用研究センター 事務局 中村 (TEL:03-3502-3671/FAX:03-3502-3265)






 


舌句雑感:都合により休載します。