第209号/2007.2

■2007賀詞交歓会 報告

■高効率熱電変換システム実用化推進委員会報告

□nano tech 2007 国際ナノテクノロジー総合展に参加

■ 平成18年度 新規受託事業 報告

■会員の皆様へのお知らせ




■2007 賀詞交歓会 報告■
 

恒例の当協会新年賀詞交歓会が、1月5日(金)午後3時30分より、東京全日空ホテル「プロミネンス」において、官庁、大学、賛助会員企業の方々等800名を越えるご出席を頂いて盛大に開催されました。
開会にあたり、エンジニアリング振興協会を代表して増田 信行会長(三菱重工業椛樺k役)より挨拶がありました。


賀詞交歓会 風景

「本日は、経済産業省 内山 俊一製造産業局次長をはじめ同省幹部の方々、ならびに関係団体からも多数のご来賓をお迎えしまして当協会会員の皆様と共に、このように盛大に新年をお祝いし歓談できますこと誠にありがたく心より御礼申し上げます。
昨年一年を振り返りますと海外では、イラク情勢が依然として改善されず、これにイラン・北朝鮮の核開発問題も加わり、相変わらず政情は不安で推移いたしました。

こういった情勢は、外交問題が一大争点となり11月の米国中間選挙に如実に反映されブッシュ政権の母体の共和党が大幅後退し外交政策の見直しを迫られるという年でもありました。

これに対し経済情勢は、不安定要因を抱えながらも欧米の景気が引き続き好況を維持し、またBRICsなど新興工業国も高成長を達成しております。

中でも中国は、高い水準の設備投資が続き20005年には、日本を抜いて世界最大の貿易黒字国となっております。また、高水準の石油価格を背景に中近東では、大型の石油化学設備・ガス設備の建設計画が相次ぐなど建設ラッシュが続きました。
一方国内では、政治経済両面にわたって構造改革を標榜し5年半継続した小泉政権の任期満了に伴い、自民党総裁選を経て大方の予想通り安倍新内閣が誕生しました。

こうした中、日本経済は、好調な設備投資や輸出に支えられ企業業績も軒並み史上最高を記録するなど極めて順調に推移しました。戦後最長であった「いざなぎ景気」を11月に更新し、回復から本格的な拡大過程に移行したかに見えましたが、ここに来て設備投資の鈍化、需要の大宗を締める個人消費の伸び悩みなどが見られるようになり、先行き不透明感は否定しがたく、今年は予断を許さない状況になると思われます。

こうした市場環境の下、私どもエンジニアリング業界に目を向けますと会員企業からのアンケートを集約して昨年11月に発行しました当協会のエンジニアリング白書によれば、18年度も昨年度に32%増と記録的な伸びを示した海外受注高(3.5兆円)の反動減はあるものの国内を含む受注動向は、概ね堅調に推移しています。

中長期の動向を見ても中近東での依然旺盛なプラント需要、アジア諸国でのエネルギー需要拡大など国内外とも設備投資が活況を呈し好調を持続していくものと考えております。

このような国内外の経済情勢を反映し当業界もここ2〜3年久しぶりに好況を享受しておりますが、克服すべき問題点・課題も新しく出てきております。

例えば、資材高騰や労働者確保難などのプロジェクトリスクの拡大、プロジェクトの大型化・長期化に伴うビジネスリスク、また韓国、中国、インドなど新たな競争相手の追い上げに伴う国際競争の激化とその重要な対応策である高度技術の開発・継承や技術者の育成・確保等々、枚挙にいとまがございません。

このうち高度な技術者の育成・確保対策として昨年発足した「産学人材交流センター」の諸事業など、すでに一部新事業に着手したものもありますが、こうした新しい課題に正面から取り組みエンジニアリング産業の発展基盤の整備を図るべく協会内に先ごろ検討組織をスタートさせたところであります。

私どもと致しましては、本日ご来賓でお迎えしました経済産業省はもとより関係機関ならびに、会員各位のご協力を得ながら思いを新たに協会活動を推進しエンジニアリング産業の更なる発展に専心努力いたす所存です。」

来賓挨拶 内山次長


また、来賓を代表して内山 俊一経済産業省製造産業局次長より、ご挨拶を頂きました。
「今年は、グローバルなエンジニアリング産業にとって二つの意味において注目される年になると認識しています。

第一に、アジア諸国と協調融合して更なるパワーアップを計る我が国にとって、他の産業に先駆けて海外市場に進出し、その国のインフラ整備・技術協力・人材育成の面で大いに貢献されたエンジニアリング産業が、まさにこの分野でリーディングインダストリであること。

第二に、昨年見られた製品の安全問題、産業現場における災害の多発など「我が国のものづくり力」、「製造現場での力」といったものに、少し揺るぎが感じられることから、そういった時こそ「ものづくりの力、実績、総合力」のあるエンジニアリング産業が、活力の源になると確信しております。
エンジニアリング産業は、現在好調で昨年末公表された成約実績を見ても、上半期108億ドルと四半期連続して100億ドルを超える高い水準を保っています。中東、アジアのマーケットにおいてエネルギー・発電プラント・交通インフラなど好調だとうかがっております。


そういった好況期でも、しっかりと課題を見据えて取組むことが官民合わせて大変重要だと考えております。経済産業省としてもプラント輸出など総合的に強力に支援していく所存であり、トップセールスあるいは、ファイナンシャルアレンジメント、そういったものをしっかりやっていくことが大事であると認識しています。


また良いときこそ将来展望をしっかりやろうということで協会内部に経済産業省も参画して「産業の現状と将来展望を考える部会」を設置しましたが、今後とも積極的な意見交換ができることが非常に重要となります。


エンジニアリング振興協会の中での取組みについても、まさに企業の最も重要なファクターであるのが人材ですが、「産学人材交流センター」でエンジニアリングシンポジウムに大学生を招待して頂いたり、あるいは、業界の実情を知るための業界セミナーを開催されるなど、昨年は、人材育成に対して大事な第一歩を歩みだされたと思います。いずれにせよ官民が連携し、一体となって更なる飛躍の年となることを祈念しております。」

引続き、関 誠夫 理事長(千代田化工建設椛纒\取締役社長)の乾杯の音頭により、懇親会が始まり、多くの方々の談笑の輪が広がり懇親を深めつつ時が流れ、盛会のうちに午後5時に閉会となりました。





■高効率熱電変換システム実用化推進委員会 報告■

NEDO技術開発機構 安富主任研究員挨拶

柏木孝夫 委員長 挨拶

平成18年度第3回「高効率熱電変換システム実用化推進委員会」(委員長 柏木孝夫氏、東京農工大大学院教授)が1月18日(木)に開催されました。本委員会もあと一回を残すのみとなり、いよいよ本プロジェクトの最終段階に来たという実感がしてまいります。

最初にNEDO技術開発機構ナノテクノロジー・材料技術開発部 安富 義幸主任研究員よりご挨拶をいただき、「事後評価では成果報告だけでなく、実用化・事業化について厳しく評価される点」の御指摘とともに、本プロジェクトの最終年度の残り2ヶ月をこの5年間の締めくくりとして頑張って欲しい旨の激励がありました。


さらに柏木委員長より「ロシア・中国の国レベルの資源確保政策に対して、わが国の省エネルギー技術移転でWin・Winモデルがある」等のお言葉を含めご挨拶を頂きました。
本プロジェクトは熱電変換モジュールと同システムの効率目標を掲げ、5年間に亘り参画企業と連携を取り、進めてきましたが、達成状況には企業毎に差異はあるもののかなりの前進が見られ、実用化・事業化に向けても目処がついたところも出てきております。

冒頭のご挨拶を頂戴した後、本プロジェクトのリーダーである湘南工科大学学長 梶川 武信氏より各社の成果、達成度の説明があり、続いてモジュール性能評価と事業性用途調査に関して各々(独)産業技術総合研究所の小原 春彦委員 及び、東京海洋大学教授の 藤田 稔彦副委員長よりご説明がありました。


また、梶川プロジェクトリーダーからは各社の実用化・事業化に関しても別途説明がなされました。
この後 本プロジェクトのNEDO殿による事後評価の準備に関して、また 昨年10月に実施した「熱電発電フォーラム」の報告を当協会より説明を行いました。


今後の予定として本年の4月から5月にかけて実施される事後評価分科会が非常に重要なものとなりますが、当協会と参画企業は共同で事業原簿を完成させ、事後評価分科会に向けた準備で3月一杯精力を傾けて努力したいと一同考えているところであります。 


 


 

■nano tech 2007 国際ナノテクノロジー総合展に参加■


2007年2月21日(水)から23日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて国際ナノテクノロジー総合展が開催されますが、当協会が現在進めているプロジェクトの「高効率熱電変換システムの開発」に関するブースを(株)小松製作所と連名で出展することとなりました。NEDO技術開発機構・ナノテクノロジー部が、毎年いくつかのブースを設けて各プロジェクトの展示を行ってきましたが、今年は「高効率熱電変換システムの開発」プロジェクトが5年間の最終年度ということで参加依頼があり出展の運び
となったものです。現在、展示の準備としてポスター等展示物に関して同社と調整して進めております。
本展示会は世界最大の先端テクノロジーエキスポ 〜イノベーションへの挑戦〜と題して多くの出展者(国内317社、海外18カ国・地域95社)が参画しておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。
尚、当協会/コマツのブースの場所は、東展示棟5ホールのD57にあります。







■平成18年度 新規受託事業 報告■

□「大深度地下の物理探査技術開発及び大深度地下特定のための
統計的手法を用いた支持地盤の分析評価業務」

国土交通省 都市・地域整備局より「大深度地下の物理探査技術開発及び大深度地下特定のための統計的手法を用いた支持地盤の分析評価業務」を平成19年3月23日までの履行期限で受託致しました。本業務は、大深度地下使用法の許可申請に際して必要な要件である地盤特定において、調査の効率化を図る物理探査技術の開発及び統計的手法を用いた支持地盤分析手法について検討を行うことにより、的確な使用認可及び大深度地下利用の促進に資することを目的とするものです。
 
平成16、17年度「大深度地下の特定に伴う先端技術の開発促進に関する検討調査」に引き続き本年度の業務では、物理探査手法として、高周波震源を用いた反射法地震探査、パッシブサイスミック法、微動アレー移動探査法について評価・検討を行います。
また、統計的手法を用いた空間補間技術として、支持地盤の平面的な推定に有効とされる逆距離加重法、スプライン法、クリギング法について評価・検討します。これらの検討とともに平成16,17年度の調査についても併せて取りまとめるものです.







 

■会員の皆様へのお知らせ■

□第294回サロン・ド・エナ開催のご案内
日  時:平成19年2月21日(水)18:00〜20:30 (於:当協会6階CDE会議室)
講  師:湯原 哲夫(ゆはら てつお) 殿
東京大学大学院工学系研究科 環境海洋工学専攻 教授
海洋技術フォーラム 代表幹事
テーマ:日本の未来を拓く海洋技術の重点戦略
      〜海洋産業強化のための基盤技術開発と人材育成に向けた提言〜
講演要旨: 第三期科学基本計画(平成18年3月策定)において、海洋の多様な資源や空間を利用するために必要な技術の先端的研究開発の取組みの推進などが取り上げられ、実現化に向けた取り組みが順次なされている。一方、海洋資源及び大陸棚問題などの海洋の権益をめぐる動きがある中で、我が国の海洋政策の統一化及び海洋基本計画の策定等を目的とする海洋基本法策定の動きがあるなど、海洋をめぐる動きはこれまでになく高まってきている。東京大学を中心として我が国の海洋活動の強化を目的とした産学官で構成される省庁横断的な常設コミュニティとして「海洋技術フォーラム」が発足され(平成17年度)、第三期科学基本計画に海洋開発の重要性についての提言を行うなど活発な活動を行っており、現在、検討中の海洋基本法の策定に対しても積極的に提言をしているところである。これらの動きを通じて今後の我が国が目指すべき海洋開発技術のあり方などを「海洋技術フォーラム」代表幹事の立場を含めてご説明いただく。

(講演終了後、懇親立食パーティがあります)
申込要領:FAXで事務局へお申し込み下さい。申込多数の場合は先着順で締め切らせていただきます。


  地下開発利用研究センター 事務局 中村 (TEL:03-3502-3671/FAX:03-3502-3265)


地下センターのホームページ(http://www.enaa.or.jp/GEC/)から直接申込みができます。