第210号/2007.3

■nano tech 2007国際ナノテクノロジー総合展 報告

□日本自転車振興会補助事業

■地域産業活性化をめざした水素エネルギー供給利用システムの実現化の調査研究 報告


■ 都市再生・地域活性化・生活利便性向上を目指した都市機能高度化・地下空間開発利用等関連エンジニアリングの動向と今後のあり方に関する調査 報告

■CCS ワークショップ2007




■nano tech 2007 国際ナノテクノロジー総合展■

□世界最大の先端テクノロジーエキスポ!!□
 

2月21日(水)から23日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて国際ナノテクノロジー総合展が開催されました。
この総合展は国内317社のみならず欧米諸国18カ国も参加する世界最大の総合展であるため、会場では様々な国からの参加者も多く見られ国際色豊かなものでありました。
また、言うまでもなく世界の最先端の技術を広く披露する場であるので、特に人気のブースには多くの人だかりができ盛んに意見交換がなされておりました。 
本総合展に当協会の地下開発利用研究センター技術開発第二部が参加できた経緯は、NEDO技術開発機構・ナノテクノロジー部からの助成事業として過去5年間携わってきた「高効率熱電変換システムの開発」プロジェクトが最終年度ということで、その集大成を広く披露できる広報・啓蒙活動のチャンスであるとの理由で参加依頼があり出展の運びとなったものです。

  NEDO展示ブース 状況


    見学者応対風景

当方のブースは、このプロジェクトを推進する連携体の一つの企業である(株)小松製作所と共同で設営し、ポスターや展示品、また説明等も同社と共同で行いました。
熱電発電に関する関心は昨年10月開催の「熱電発電フォーラム」でも示されたように非常に高くなってきており、特に最終日(23日)は、数多くの来訪者を迎えることができ、関係者一同、この盛況ぶりに大変満足しております。
なお、「高効率熱電変換システムの開発」プロジェクトで当協会と連携した企業の中では5年間の成果として実用化・事業化に向けて既に本格的に進もうとしている企業もあります。
排熱を電気エネルギーに変え、この電気を使ってある仕事をさせる製品が着実に世の中に出てくる日もそう遠くないことを願っております。





■日本自転車振興会補助事業■

■地域産業活性化をめざした
水素エネルギー供給利用システムの実現化の調査研究■

平成19年1月23日(火)〜24日(水)標記委員会の作業部会で(部会長:山下 博文、(株)大林組)地域のエネルギー戦略を積極的に進めておられる青森県エネルギー総合対策局を訪問し、青森県が積極的に進めるエネルギー総合対策のうち、以下の施設について青森県エネルギー総合対策局 環境・エネルギー産業振興グループ主査の石戸 彰氏のご案内で現地調査を行い、青森県エネルギー産業振興戦略について説明を受けました。

柳町付近 融雪施設歩道

青森県コジェネシステムおよび、柳町融雪システムでは、青森県庁舎に設置されたコジェネシステムの排熱を数百メートル先の柳町通りの歩道の融雪に利用しているもので、県庁舎から国道6号に至る県道(柳町)歩道は、周囲の積雪にもかかわらず歩行がし易くなっています。

青森県工業総合研究センターでは、寒冷地に合った燃料電池の開発状況を見せていただき、使用する燃料の将来について担当者と意見交換を行いました。最後に大矢建設工業バイオプラントでは、間伐材からのバイオエタノール製造プラントも視察し、代替燃料としてのバイオエタノールの開発状況の説明を受けました。
現地調査後、青森県エネルギー総合対策局と調査研究について意見交換を行い、雪国におけるエネルギー総合対策について説明を受け、本調査研究のモデル案の作成に役立つ有意義な現地調査となりました。 

ご案内にご協力いただいた青森県エネルギー総合事務局に紙面をお借りして御礼申し上げます。

 


 


 

■日本自転車振興会補助事業■

■都市再生・地域活性化・生活利便性向上を目指した都市機能高度化・
地下空間開発利用等関連エンジニアリングの動向と今後のあり方に関する調査■
□地下利用推進部会・第二専門部会 神戸市 現地調査報告□

神戸港震災メモリアルパークにて


地下利用推進部会の防災と地下空間利用に関する調査専門部会(第二専門部会)では、平成19年2月1日(木)〜2日(金)の2日間で神戸へ出張して、近年の耐震設計に大きな影響を与えた阪神・淡路大震災後の防災対策についてヒアリングし、工事現場、記念館などを視察しました。岡田 滋部会長始め11名が参加しました。
阪神・淡路大震災を記念した「人と防災未来センター」では、実際の地震を再現した映像を見たり、被災時の写真、展示物を見て、阪神・淡路大震災の威力を改めて感じることができました。神戸港にもメモリアルパークがあり、港湾の被災状況の保存を見たり、高速道路の被災の保存等を視察しました。

保存された震災直後の高速道路橋脚

 地下街の防災センターを視察した後、神戸市危機管理室を訪問して、地震発生直後の初動時の対応、県との緊急連絡のし方などについて説明を受けました。神戸市では、大深度地下利用法を適用する第1号案件として、震災後に水道水を確保するための大深度大容量水道管の建設工事が、居住区域に隣接している条件下で近隣に配慮しながら現在、着々と進行中です。ここでは、立坑と水道管の建設現場を視察させていただきました。 
 神戸市が設立した「アジア防災センター」も訪問してヒアリングしました。アジア防災センターでは、アジア各国と連携をとりながら、防災に関する調査研究を進めていました。大震災を受けた神戸がアジアの防災拠点になっていることに感銘しました。これらの調査結果を今後の部会活動に反映、展開していく計画です。






■CCS ワークショップ2007■

〜CO2分離回収貯留技術の最前線〜

平成19年2月15日(月)にCCS ワークショップ2007が、けいはんなプラザ3F「ナイル」にて盛大に開催されました。これは、(財)地球環境産業技術研究機構(以下RITE)が主催し(財)エンジニアリング振興協会(以下ENAA)の共催で実施されたものです。RITE研究所長 茅 陽一氏の開会挨拶に始まり、兵庫県立大学副学長 鈴木 胖氏より来賓の挨拶がありました。.



招聘講演 John Gale氏

〜CO2分離回収貯留技術の最前線〜

平成19年2月15日(月)にCCS ワークショップ2007が、けいはんなプラザ3F「ナイル」にて盛大に開催されました。これは、(財)地球環境産業技術研究機構(以下RITE)が主催し(財)エンジニアリング振興協会(以下ENAA)の共催で実施されたものです。RITE研究所長 茅 陽一氏の開会挨拶に始まり、兵庫県立大学副学長 鈴木 胖氏より来賓の挨拶がありました。

その後、招聘者講演としてJhon Gale氏(Deputy General Manager,IEA-GHG)による「CCS Current Status and Future Challenges」と題した講演を皮切りにして230人に及ぶ熱心な聴衆を集めて開始されました。続いてDaniel Jansen氏(Programme Manager "Clean Fossil Fuels" Energy Research Center of the Netherrlands)の「欧州の主要な分離回収連携プロジェクトについて」と題した講演とFU Ping氏(Program Officer, Office of Global Environmental Affaires, the Ministry of Science and Technology of China )の「中国におけるCCSの現状と展望について」の講演がありました。

午後には、西尾 匡弘氏(経済産業省 産業技術環境局 環境政策課 課長補佐)の「わが国におけるCCS関連政策の動向について」のお話があり、わが国のCCSの動向について詳しく聞くことができました。
引き続き、RITEの研究発表に入り、「CO2分離回収技術の現状と将来」を化学研究グループ 藤岡 祐一氏、「地中貯留におけるCO2挙動モニタリングについて〜長岡実証試験サイトの実例紹介〜」をCO2貯留研究グループ 薛 自求氏、「日本における地中貯留の経済性評価と有効性」をプログラム研究チーム 高木正人氏、最後の講演として「わが国でのCCS適用の展望」をCO2貯留研究グループ 大隅多加志氏より研究発表がありました。

最後は、RITE専務理事 樋口 正治氏が閉会挨拶され、閉会後に意見交換会が催され活発な意見交換のあと散会となりました。

2日目となった翌日は、RITEの研究施設を見学し閉会となりました。

 





 

■会員の皆様へのお知らせ■

□第295回サロン・ド・エナ開催のご案内
日  時:平成19年3月14日(水)17:30〜20:00 (於:当協会6階CDE会議室)
講  師:國友 宏俊 殿  経済産業省 製造産業局 国際プラント推進室長
テーマ:我が国プラント・エンジニアリング産業の現状と課題
講演要旨: 我が国プラント・エンジニアリング産業は、2005年海外プラント・エンジニアリング成約実績が過去最高の257億7000万ドルに上り、近年にない活況を呈しているが、歴史的に受注産業であるが故に景気動向に大きく左右されてきた。
景気のいい今こそ、将来に向けたプラント・エンジニアリング産業が抱える課題に係る議論や、
産業が直面する国際市場の中での新しい需要分野の開拓などの海外戦略を立案実行していくことが重要となっている。こうした中、当協会では昨年11月より「わが国エンジニアリング産業の現状と将来展望を考える研究部会」を立ち上げ、産官での議論を進めている。
今回の講演では、プラント・エンジニアリング産業をとりまく環境変化と課題、さらには国際プラント推進室において実施している諸施策等についてお話戴く。
(講演終了後、懇親立食パーティがあります)
申込要領:FAXで事務局へお申し込み下さい。申込多数の場合は先着順で締め切らせていただきます。
  地下開発利用研究センター 事務局 中村(TEL:03-3502-3671/FAX:03-3502-3265)
□ 平成18年度 日帰り見学会のお知らせ

今年度の見学先は、Aコース、Bコースと2コースご用意しました。
先ず、Aコースは、東京電力轄wヨ変電所を見学します。この変電所は、地下利用に関して非常に珍しい事例で有名です。高野山東京別院の地下に東京電力轄wヨ変電所が造られており、黙々と大都市東京に安定的な電力を供給しています。その実現までの由来とユニークな地下利用事例を実際に見聞します。
 次にBコースは、首都高速道路樺央環状線大橋ジャンクション工事を見学します。
都心環状線の渋滞緩和を目的に目黒区青葉台四丁目を起点に板橋区熊野町の終点まで11kmを新設するものですが、ご存知のように経済効果・環境効果が大きく期待されています。工区は、計画された地下高速道路に首都高速3号線と国道246号とのジャンクションを造るために、地中で連結する非開削拡幅が行われています。その規模は、国立競技場の規模を上回るもので東京都・目黒区・首都高速道路株式会社が一体となって大橋地区の市街地再開発事業も都市計画決定されており斬新な新都市機能を持つ市街地が出現します。
Aコース 見 学 先:東京電力株式会社 高輪変電所
日  時:平成19年3月16日 午後14時30分 集合
行 程:地下鉄都営浅草線高輪台駅14:30集合⇒現地(概要説明・変電所内部見学)⇒17:00解散
Bコース 見 学 先:首都高速道路株式会社 中央環状線大橋ジャンクション建設工事
日  時:平成19年3月22日 午後14時30分 集合
行  程:地下鉄半蔵門線・池尻大橋駅集合 14:15集合⇒現地(概要説明・現場)⇒17:00解散
Aコース・Bコース共通
定  員 : 30名(訪問先 会議室の都合などにより、定員になり次第締め切らせていただきます)
申込期限 : Aコース 3月9日(金)、Bコース 3月15日(木)
参 加 費 : 無料(交通費は、すべて各自負担。)
申込方法 : 所定の申込用紙に所定事項をご記入の上、FAXにて事務局までご送付ください。