第42号/1993.2

■委員会報告
研究企画委員会

■ガイドブック専門委員会

■新潟市役所、西堀ROSA調査報告

■新聞記事から

■会員の皆様へのお知らせ


■委員会報告■

研究企画委員会(平成4年度第3回)

日時: 1月22日(金)15:30〜17:30
議題: @平成5年度事業について
・平成5年度予算要求について
・分科会テーマ
・プロジェクト推進事業
Aその他
・大プロ予算について
・GEC行事報告、行事予定

協会を代表して山口専務理事より挨拶があり、引き続いて通商産業省立地公害局産業施設課課長補佐・広田正典氏より来賓挨拶を頂戴した。その後、議題の審議・報告にはいった。議題、議事内容の概要は下記の通りである。

(1) 平成5年度予算要求について
平成5年度予算は3月に内定の予定である。
(平成5年度予算(要求案)はGECニュース第38号(1992.10月号)に掲載)

(2)分科会テーマ、プロジェクト推進事業について
分科会テーマ、プロジェクト推進事業について中間報告があった。5年度のテーマは3月10日研究企画委員会、3月11日運営会議での審議で決定される予定である。

(3)大プロ予算について
大深度地下空間開発(大プロ)の平成5年度実施方針は工業技術院に設置されている本プロジェクト評価小委員会の中間評価に基づいて、実証実験に移行するということで予算案の編成がなされている。

<参考>
大深度地下空間開発(大プロ)は開発委員会、技術専門委員会の下に下記部会を設置して開発プロジェクトを推進している。

  • 高精度地下構造評価技術部会
  • 大深度地下空間構築技術部会
  • 大深度地下環境制御・防災技術部会
  • トータルシステム・利用技術部会

    (4)GEC行事報告、行事予定
    ○国内見学会

  • 日時  平成4年9月29日〜10月1日
  • 訪問先 森地熱発電所、 青函トンネル竜飛海底駅、 マインランド尾去沢
  • 参加者 43名(詳細はGECニュース第38号に掲載)

    ○日帰り見学会

  • 日時  平成4年11月26日
  • 訪問先 船橋駅北口地下駐車場 、 幕張クリーンセンター(ごみ空気輸送設備)、サッポロビール千葉工場
  • 参加者 21名 (詳細はGECニュース第40号に掲載)



    ■第二回ガイドブック専門委員会開催■

    平成4年5月に第1回ガイドブック専門委員会を開催して以来、精力的に幹事会・編集部会を始めとする各部会活動を進めている。この間井の経過報告と専門委員の先生方からの要望等を主な議題として第2回ガイドブック専門委員会を1月27日に開催したので、この概要を以下に示す。

    @ 幹事長報告
    花村幹事長より、幹事会・編集部会の活動経過と全体目次案の説明があった。(詳細省略)

    A各部会長報告
    第1部会から第7部会まで各部会長より各部会の活動経過と担当執筆範囲の目次案や執筆方針の説明があった。

    B事務局報告
    (a)ENAA & GEC行事 平成4年9月のGEOTECH’92と11月のエンジニアリングシンポジウム’92のB1セッション「2010都市空間」を説明した。

    (b)外部調査実施概要 (右表参照)
    各部会活動の一環として外部見学調査、ヒアリングを実施した概要を説明した。
    調査先としては、大都市の最新地下利用施設だけでなく、東京郊外中核都市(八王子市、町田市)や地方中心都市(長野市、新潟市)の自治体地下関係部署を選定し、今後の地下利用のトレンドやニーズの把握に努めている。特に、昨年7月開業の東京後楽園遊園地「地下都市、ジオポリス」はその事業コンセプトが「祝祭地下空間」という斬新さで20代前後の学生やヤングアダルトのカップルの人気を集めていて、アミューズメント業界の先見性が参考になった。

    (c)クープ・ド・イーガー実施概要(右表参照)
    幹事会や各部会の活動が活発になるにつれ、ガイドブック関係者の横断的な交流を深めたいとの要望の基に2〜3カ月毎にサロンを開催することになった。
    第1回は事務局主催で「トレンドの創造」をテーマにイベントと出版関係者を招待し、専門委員の若谷氏にサロン進行を願った。
    第2回は第4部会主催で「東京メトロポリタンの地下利用の将来」をテーマに都の山崎氏と地下ユーザー代表で長銀の一野氏を招待し、第4部会長の河野氏にサロン進行を願った。

    C専門委員会の先生方からの要望等
    多くの有望なご発言がなされた。(詳細省略)

    D今後のスケジュール(案)
    花村幹事長より、今後の予定の説明があった。
    平成5年9月 1次原稿提出、第3回専門委員会
    平成6年1月 2次原稿提出、最終専門委員会
    平成6年2月 最終原稿提出
    平成6年6月 初版出版

    ガイドブック部会関係外部調査実施概要表

    年 月 日 調査主体 調査先 参加者 調査内容・目的
    平成4年
    10月14日
    第7部会 鰹a谷都市整備公社 7B 4名
    事 1名
    計 5名
    渋谷区公共駐車場(地下の
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.都OR区の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    10月14日
    第7部会 川崎地下街 7B 4名
    事 1名
    計 5名
    川崎駅東口広場地下街アゼリアの
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.県OR市の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    10月20日
    第1部会 神戸市都市計画局
    計画部
    1B 11名
    7B 2名
    事 1名
    計 14名
    神戸ハーバーランド開発の
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.県OR市の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    10月20日
    第1部会 大阪ガス
    神戸ハーバーランド
    エネルギーセンター
    1B 11名
    7B 2名
    事 1名
    計 14名
    神戸ハーバーランド 地域冷暖房システムの
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.県OR市の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    10月21日
    第1部会 大阪市計画局
    都市計画課
    1B 11名
    7B 2名
    事 1名
    計 14名
    大阪市の地下利用ガイドライン策定作業の進行状況と完成までのヒアリング
    平成4年
    10月21日
    第1部会 大阪市都市整備局
    計画開発部
    事業推進課
    1B 11名
    7B 2名
    事 1名
    計 14名
    大阪駅ダイヤモンド地下街の
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.府OR市の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    11月20日
    第7部会 長野市都市開発部
    市街地整備事務所
    7B 4名
    事 1名
    計 5名
    長野駅前地下駐車場の
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.県OR市の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    11月27日
    第4部会 鞄結档hーム
    広報部
    4B 15名
    事 1名
    計 16名
    鞄結档hーム ジオポリスの
    1.企画立案、建築着工までの経緯
    2.都OR区の都市計画との関連調整
    3.地域住民とのコンセンサス形式
    4.事業性、その他
    平成4年
    12月14日
    第7部会 町田市
    都市緑政部
    都市計画課
    4B 5名
    事 1名
    計 6名
    町田市の
    1.建設省地下利用ガイドライン通達への対応について
    2.町田駅周辺再開発の概要
    3.地下利用の現状と将来計画
    4.ガイドブックへの要望
    5.事業性、その他
    平成4年
    12月17日
    第7部会 八王子市
    都市計画管理室
    都市計画課
    7B 3名
    事 1名
    計 4名
    八王子市の
    1.建設省地下利用ガイドライン通達への対応について
    2.八王子駅周辺再開発の概要
    3.地下利用の現状と将来計画
    4.ガイドブックへの要望
    5.事業性、その他
    平成5年
    2月5日
    第1部会 新潟市
    都市計画部
    都市計画課
    1B 11名
    4B 1名
    事 1名
    計 13名
    新潟市の
    1.建設省地下利用ガイドライン通達への対応について
    2.新潟市古町再開発の概要
    3.地下利用の現状と将来計画
    4.ガイドブックへの要望

    クープ・ド・イーガー実施概要表

    第1回 事務局主催 @日時 平成4年10月27日 (火) 午後5時30分より
    Aテーマ ときめき!CREATE ザ GEO − TREND
    B出演者
    若谷 圭史氏 電気中央研究所 社会環境研究室長 ガイドブック専門委員
    菊池 美 氏 潟潤[ルド・インポート・マート GEOTEC ’92企画主催者
    徳光 文弘氏 叶エ文社 東京編集部
    C 参加者 20名
    第2回 第4部会主催 @日時 平成5年1月12日 (火) 午後5時30分より
    Aテーマ 東京都における地下利用について
    B出演者
    山崎 俊一氏 東京都都市計画局 地下担当課長 ガイドブック専門委員
    一野 君恵氏 鞄本長期信用銀行 事業開発部
    河野 健治氏 NKK 総合エンジ事業部 部長 ガイドブック第4部会長専門委員
    C 参加者 25名



    ■新潟市役所、西堀ROSA調査報告■

    ガイドブック専門委員会第1部会(都市計画、事業性検討)は、研究活動の一環として2月5日に総勢13名による新潟市内の事例調査、ヒアリングを実施したので概要を報告する。

    @ 新潟市役所都市計画課

    平成元年9月に建設省都市局長・道路局長が出した通達(地下の公共的利用の基本計画の策定等の推進について)等に基づいて各地で地下利用ガイドプランの策定に向けた動きが活発になっている。 第1部会では、すでに東京都のガイドプラン基本方針の入手や大阪市のガイドプラン策定状況のヒアリング等を実施している。しかし、いずれも地下鉄網の発達した大都市の地下利用プランであってガイドブックの想定読者である地方都市の地下利用ガイドプランを調査する機会がなかった。
    新潟市が平成3年度から地下利用ガイドプラン原案の作成調査を開始し原案の前段階の「素案」を検討中との事で担当の都市計画課を訪問し、地方中核都市の地下鉄のない地下利用計画の概要をヒアリングした。その内容は、担当課から公表を控えるよう要望されたので詳細記述出来ないのが残念だが、担当者とのヒアリングを通じて地方都市の「地下」に懸ける期待やスピリットを十分に確認できた。メンバーもこの期待とスピリットに感銘を受け、ヒアリング後半になると、「地域冷暖房施設を、○○地区に組み込めば、○○面で有利だから検討対象に加えてほしい。」とか「○○地区の地下街計画は立地を考慮すると、○○的な施設展望が期待されるのでは。」と言った今までの部会活動成果を活かした提案を担当者に投げ掛ける一幕もあった。

    A 西堀ROSA(ローサと発音する、スペイン語)

    あの新潟ブルース(ちなみに、この碑が万代橋の脇にあった)の古町通り付近にある地下街・駐車場で、昭和51年9月に完成している。
    事業費 68億円 事業主体:新潟地下開発
    規模 幅員19m、延長330m、地下2階RC造、敷地面積8,996u、建築面積17,359u
    地下街 B1階、店舗面積3,500u、60店舗、公共歩廊幅員6m、延長330m
    地下駐 B2階、288台収容(内機械式234台で、二段式バランス昇降型)
    車路幅員6m、入出車ランプ各1カ所

    ROSAの特徴は鉄道施設との接続のない事で、その分事業的には非常に苦しかったが、周辺商店街の活性化と交通緩和を旗印に当時の商工会議所会頭の強いリーダーシップで完成を見た。地下街の顧客層をヤングに絞ったテナント構成で周辺の既存商店との調和を図っている。対応いただいた岩橋取締役から建設時のオイルショックや開業後の高金利等の苦労話にメンバー一同深く感動を受けた。氏の話から、印象に残ったフレーズを紹介する。
    「とにかく、苦労して作って良かった。」
    「地下街・駐車場実現は商業振興と交通緩和が鍵」
    「計画当時の海外事例調査の時にスペインの宮殿で真っ赤な薔薇が咲いているのを見て、ROSAに決めたんです」

    最後に今回の事例調査とヒアリングに際し親切に対応いただいた関係者に参加メンバー一同感謝いたします。
    (GEC 藤田記)



    ■新聞記事から■

    ○’94リレハンメル冬季五輪に史上初の洞窟リンク(マウンテンホール)(スポーツニッポン新聞 平成5年2月9日)

    自然との共存をメインテーマに掲げる94年リレハンメル冬季五輪まであと1年となり、ノルウェーの首都オスロから北へ180キロの小さな町リレハンメルにSFの巨大要塞を思わせる五輪史上初の洞窟リンクの完成が間近にせまっている。
    入口から130メートルに及ぶトンネルを抜けると「サンダーバード」に出てくる秘密基地のような光景が出現する。この巨大洞窟施設の名はずばり「マウンテン・ホール」と呼ばれ、約26億円を投資し、収容人員5500人の最新スタジアムである。11トントラック2万9千台分の岩石をくり抜いて東京ドーム並の1万4910平方メートル規模の施設を造った。
    それにしても岩山の頂上から120メートルの場所にリンクを造るという奇想天外な発想がどうして生まれたのか?その答えはリレハンメル五輪が目指す「自然にやさしいオリンピック運動」にある。
    ノルウェー最大のミョーサ湖のそばにそびえるホフデトッペン山は土でなく岩盤で構成された硬い岩山。この岩をくり抜く分には地中の生態系破壊につながらない。外部への通路も4カ所に抑えたため、山の外観もほとんど損なわずに済んでいる。またメーンの出入口はユービク市の中心地に近いことから、バスなどの公共手段でのアクセスが可能となり、道路拡充の必要にも迫られない「ダブル効果」も見込まれる。

    注記 本施設は当センター「大深度大プロ海外調査団(団長 花村哲也氏)」が平成3年11月15日に施設訪問しており、GECニュース第31号に掲載。また報告書も発行されております。



    ■会員の皆様へのお知らせ■

    ○サロン・ド・エナ(第145回)開催案内

    1.日時  3月17日(水) 17:30〜20:00
    2.場所  当協会ABC会議室(4階)
    3.テーマ  「EC統合の現実とそのゆくえ」
    4.講師  田中 俊郎 氏(慶応義塾大学法学部政治学科教授)
    5.内容  世界がブロック化傾向を強める中で、本年1月から統合ECがスタートしました。ブラッセル滞在期間を含め長年にわたるEC統合の動きの体験も踏まえ、ECの統合とは何か、何がどう変わるのか、ヨーロッパは一つの国になるのか、閉鎖的な市場になるのか、日本への影響はどうなるのか、EC産業は強化されるのか等“EC統合の現実とそのゆくえ”についてお話ししていただきます。

    ○研究成果発表会

    1.日時 6月16日(水)〜18日(金)(GEC分は18日の予定)
    2.場所 発明会館



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