第5号/1990. 1

■年頭所感

■マスタープラン専門委員会部会スタート

■「大深度地下空間開発技術」の委託予定先として選考

■会員の皆様へのお知らせ

■センター会員入会状況


■年頭所感■

通商産業省立地公害局産業施設課長
飯 塚 和 憲 氏

平成2年の新春を迎えるに当たり、謹んで御挨拶を申し上げますとともに、一言所感を述べさせていただきます。

昨年は、「平成」という新しい時代を迎える一方、米ソの緊張緩和や東欧諸国の変革など、国の内外を通じて歴史に残る劇的な変化が続いた1年でありました。
しかしながら、昨今の好景気にもかかわらず、地方では人口減少県が増加し、大都市圏への人口、諸機能の集中が進展しており、依然として大都市圏での過密化、社会資本整備の遅れといった問題が顕在化しております。
このため、通商産業省といたしましては、地域活性化対策の推進を図る一方、地下空間の積極的な開発利用の推進を進めてまいります。
具体的には、技術面につきましては、大型工業技術研究開発制度に基づき、平成元年度に着手しました大深部地下空間開発利用技術の研究開発も、平成2年度にはいよいよ本格的な要素技術研究段階に入ってまいります。法制度につきましても、所要の法律案について引き続き検討を行なってまいります。

新年に臨んで、私の所信の一端を申し上げましたが、昨年秋にはこのような地下開発利用の機運の高まりの中で設立されました地下開発利用研究センターの活動が、このような諸施策ともあいまって、今後の地下開発利用進展に活かされるよう期待するものであります。
皆様方の御理解と御協力を申し上げるとともに、90年代の幕開けである本年が、来たるべき21世紀への明るい展望を切り拓く希望にみちた年となることを祈念いたしまして、私の年頭の御挨拶とさせていただきます。



■マスタープラン専門委員会部会スタート■

平成2年1月8日〜11日において、平成元年度マスタープラン専門委員会部会(基本問題ならびに利用施設系部会)がスタートした。
平成元年11月号においても記載したように、昨年10月25日開催されたマスタープラン専門委員会において、地下開発マスタープランの作成のための専門分野別部会の設置が決定された。これを受けて昨年11月より、マスタープラン専門委員会幹事会および地下センター事務局では、会員企業からの部会委員の推薦(公募)に基づいた部会の組織・体制づくりを行う一方で、部会の活動方針ならびに進め方についての検討を行うなど準備を進めてきた。
それぞれの第1回部会においては、部会設置に至る経過の説明、部会長ならびに各委員紹介ののち、平成元年度部会活動内容についての討議が行われ、以下に示すような事項(概要で示す)が決定された。

○平成元年度においては、現況調査を実施する。さらに、調査結果を踏まえて将来の地下開発利用のトレンドを明らかにする。
○調査は文献等の資料により、国内外の地下利用施設を対象とし、以下に示すような幅広い調査項目を掲げる。

  • 施設の地下利用実績(時期、規模、建設費等)
  • 施設の地下利用の背景、問題点
  • 利用技術の現状、開発状況等
  • 地下利用施設に対するニーズ、感情、評価等
  • 地下利用施設に対する規制法規、技術基準等

    さらに、各部会とも4〜5のワーキンググループにわかれて以上のような現況調査活動を実施することとし、第1回部会に引続き、第1回ワーキンググループ討議も行った。 平成元年度部会の概略のスケジュールとしては、平成2年3月末頃までに現況調査結果をまとめ、専門委員会に中間報告を行ったのち、将来の地下開発利用のトレンドについての検討を実施し、平成2年6月末を目途に平成元年度報告としてまとめていくことにしている。 なお、平成2年度においては、基本ならびに利用施設系部会については地下利用施設の将来予測、課題の抽出あるいは地下開発利用のあるべき姿の検討から地下開発利用の推進に必要な諸施策の抽出と提言を行っていく。 一方、上記基本・利用施設系部会の進捗をみた上で基盤技術系部会をスタートさせ、平成3年度末には地下開発マスタープランとして完成させる予定である。 下表に、基本ならびに利用施設系部会におけるワーキンググループテーマを示す。

    平成元年度マスタープラン専門委員会部会とワーキンググループテーマ

    部会名
    ワーキングNo. 
    基本問題部会 エネルギー関連部会 物流・輸送等関連部会 都市・産業関連部会
    第1W/G  地下空間利用構想   燃料貯蔵施設 地上と地下を結ぶ輸送  処理・処分施設
    第2W/G  地下空間利用の理念  エネルギー貯蔵施設  地下における輸送    災害防止・環境保全施設
    第3W/G  社会環境       電力製造・供給施設       貯蔵施設        事業施設・実験・研究施設
    第4W/G  法規・保証制度 その他エネルギー製造供給施設  情報施設 商業施設等
    第5W/G  −−−        社会環境・規制法規 −−− −−−



    ■「大深度地下空間開発技術」の委託予定先として選考■

    当地下センターでは、昨年11月28日に本プロジェクトに関する提案書(プロポーザル)を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に提出していたが、NEDOにおいて各企業から提出された提案書を審査中のところ、この度、当地下センターが委託予定先として選考され、見積依頼があった。
    (大深度地下空間開発技術の開発概念図については、「地下センターニュース」第4号/1989.12をご参照ください。)
    当地下センターでは、本プロジェクトの委託を得るべく、センター設立当初より積極的に取組んできたが、平成元年度の残余期間が少ないこともあり、委託が決まった場合に速やかに対応できるように、予め準備作業を開始していたところである。
    当方の提案書はNEDOの基本計画に基づき、4つの個別テーマから構成されているが、平成元年度(初年度)の実施目標を次の通りとしている。

    0.トータルシステム・利用技術
    大深度地下空間開発技術について調査し、開発課題を総合的に整理・検討し、全体計画を作成する。

    T.高精度地下構造評価技術
    大深度地下の地質構造、地盤物性の把握のためのクロスホール・トモグラフィー技術等について調査を行い、研究開発の課題を整理・検討する。

    U.大深度地下空間構築技術
    大深度地下での掘削機械等の自動化技術、大規模空間の強化・維持技術、大深度地下での地下水制御技術や大規模空間の挙動解析シミュレーション等について調査を行い、研究開発の課題を整理・検討する。

    V.大深度地下環境制御・防災技術
    大深度地下空間の開発・利用にあたっての環境制御技術、防災技術等について調査を行い、研究開発の課題を摘出する。

    平成元年度では、当地下センターからの各企業への再委託は行わず、すべてセンターの中に研究会を組織して、取りまとめる計画であるので、目下、その体制づくりと、個別テーマ別の勉強会(部会)を開始したところである。詳細については、次号にて報告する予定としている。



    ■会員の皆様へのお知らせ■

    サロン・ド・エナ開催案内

    第111回(平成2年2月21日)

    講 師:通商産業省機械情報産業 産業機械課技術班長 稲垣 謙三 氏
    テーマ:「IMS(Intelligent Manufacturing System)の世界への提唱について」(仮題)

    第112回(平成2年3月20日(火))

    講 師:特許庁総務部長 渡辺 光夫 氏
    テーマ:「知的所有権のハーモナイゼイションについて」(仮題)

    3月のサロン・ド・エナは、第3水曜日(3月21日)が祝日に当たるため、前日の3月20日(火)に開催いたします。
    なお、参加申し込みは地下センター(織山)までお願いいたします。


    ■センター会員入会状況■

    新規に、日本石油鰍ノ入会戴きました。
    平成2年1月24日現在においては、以下に示す通り、賛助会員119、特別会員2、協力銀行7となっています。

    ●エンジニアリング専業(7)

    千代田化工建設
    東洋エンジニアリング
    日揮
    三機工業
    日鉱エンジニアリング
    日立プラント建設
    三菱レイヨン・エンジニアリング

    ● 地質・コンサルタント(9) 応用地質
    梶谷エンジニア
    川崎地質
    潟_イヤコンサルタント
    樺n球科学総合研究所
    中央開発
    鞄建設計
    兜ィ理計測コンサルタント
    三井鉱山エンジニアリング

    ●鉱業・石油精製(9) 出光興産
    昭和シェル石油
    住友金属鉱山
    同和鉱業
    日本海洋掘削
    日本鉱業
    日本石油
    三井金属資源開発
    三菱金属

    ●建設(42) 叶ツ木建設
    椛蝸ム組
    渇恆コ組
    鹿島建設
    近畿電気工事
    褐F谷組
    轄ヲr組
    五洋建設
    佐藤工業
    清水建設
    株註ホ
    住友建設
    椛K高組
    大成建設
    樺|中工務店
    樺|中土木
    大都工業
    大日本土木
    大豊建設
    樺n崎工業
    鉄建建設
    東亜建設工業
    東急建設
    東洋建設
    戸田建設
    利根地下技術
    飛島建設
    西松建設
    日産建設
    日特建設
    日本国土開発
    日本ロックエンジニアリング
    滑ヤ組
    兜沒c組
    フジタ工業
    不動建設
    前田建設工業
    三井建設
    三菱建設
    村本建設
    叶X本組
    若築建設

    ●鉄鋼(4) NKK
    叶_戸製鋼所
    新日本製鐵
    住友金属工業

    ●造船・重機(6) 石川島播磨重工業
    川崎重工業
    住友重機械工業
    日立造船
    三井造船
    三菱重工業

    ●産業機械(10) 渇`原製作所
    久保田鉄工
    鰹ャ松製作所
    ダイキン工業
    鞄d業社機械製作所
    トーヨーカネツ
    叶V潟鐵工所
    鞄本製鋼所
    日立建機
    フジテック

    ●電機・通信・計装(15) 住友電気工業
    セコム
    鞄月ナ
    日本電気
    能美防災
    鞄立製作所
    日立電線
    ファナック
    藤倉電線
    富士通
    富士電機
    古河電気工業
    三菱電機
    山武ハネウエル
    横河電機

    ●窯業(2) 小野田セメント(株)
    住友セメント(株)

    ●電力・ガス(7) 関西電力
    中部電力
    東京電力
    電源開発
    大阪ガス
    東京ガス
    東邦ガス

    ●不動産・運輸(2) 三井不動産
    三菱地所

    ●損害保険(6) 住友海上火災保険
    大正海上火災保険
    東京海上火災保険
    日産火災海上保険
    日本火災海上保険
    安田火災海上保険

    ●特別会員(2) (財)電力中央研究所
    日本地下石油備蓄

    ○協力銀行(7) 鞄本長期信用銀行
    且O和銀行
    椛謌鼕ゥ業銀行
    椛蝌a銀行
    兜x士銀行
    且O井銀行
    且O菱銀行

    普通会員119
    特別会員 2
    ――――――――――
    賛助会員計121
    協力銀行 7



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