第64号/1994.12

■大深度地下空間開発委員会報告

■第165回サロン・ド・エナご案内

■平成6年度国内見学会報告

■分科会活動状況報告

■アーバン・クリエーション’95出展

■新年賀詞交歓会のご案内

■機関誌「エンジニアリング」特集号発行


■大深度地下空間開発委員会報告■

日時: 11月21日(火)17:30〜20:30
議題: @平成6年度進捗状況報告
A平成7年度概算要求について
B平成6年度実施計画変更について
C見学会の開催について
Dその他
通商産業省産業施設課長・相澤徹氏、工業技術院総括研究開発官・青木信也氏、工業技術院研究開発官・漆原英二氏を来賓にお迎えして開催され、漆原研究開発官より、本研究開発が残すところ2年となり、実証実験等安全性を確保した上で意義あるものにして欲しいとのご挨拶を戴いた。
議事は、各案件議題に則って事務局より説明後、審議、了承された。



■第165回サロン・ド・エナご案内■

下記要領で、第165回サロン・ド・エナを開催致します。今回は、地下センターの担当分として、通商産業省資源エネルギー庁原子力産業課長・松井英生氏をお迎えし、日頃なかなか聞くことのできない核燃料サイクル政策と放射性廃棄物について、興味深い話題をお話頂きますので、多数のご参加をお願い致します。

1.日 時: 平成7年1月18日(水)17:30〜20:00
2.場 所: 当協会6階 CDE会議室
3.講 演 (テーマ)
「今後の核燃料サイクル政策と放射性廃棄物の地下処分について」
(講 師)
通商産業省 資源エネルギー庁 原子力産業課長 松井 英生 氏
(講演要旨)
近年、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄、北朝鮮の核開発疑惑等原子力をめぐり様々な問題が発生し、これらは世界の環境問題、安全保障問題、政治問題にも絡む大きな課題となっております。一方、国内においても原子力発電に伴う使用済み燃料の処理、廃棄物の処理等、今まで解決を先送りしてきた課題につき解答を出さなければならない時期になりつつあります。 このような状況において、昨年6月、21世紀をめざした核燃料サイクル政策のあり方を示す原子力開発利用長期計画が策定されたところであり、原子力開発利用長期計画の概要とその考え方の背景について説明するとともに、今後の原子力発電を進めてゆく方向について、説明していただきます。

(申し込み、問い合わせは中村まで)



■平成6年度国内見学会報告■

地下開発利用研究センター恒例の行事である国内見学会が、11月16日(水)〜18日(金)に山口専務理事を団長として、総勢47名の参加により行われた。今回のコースは北陸方面で、3ヶ所の地下関連施設を視察して知見を深めるとともに、参加者同士の懇親を深めることができ、有意義な3日間であった。

第一日目 中部電力渇恃濃水力建設所

最大出力150万KWの純揚水式発電所であり、平成8年3月の完成を目指して、鋭意工事が進められていた。地山被り360〜400mの2つの大規模地下空洞(きのこ形)に、岩盤の変位や応力の自動計測処理システムの開発・導入を生かし、100万KW及び50万KWの発電所が設置される。この発電所は平成6年以降のピーク供給力を受け持つもので、大深度の地下水力発電所としては、日本で最大級となる。地上へ出て下部調整池である上大須ダムも見学したが、ここでは野生の猿、鹿にも遭遇できた。

第二日目 安房トンネル平湯工区工事作業所

一般国道158号は、福井市を起点として高山市を経て松本市に至る延長約260qの路線であり、飛騨地方と信州地方、さらに広域的には北陸地方と関東地方等を最短距離で結ぶ幹線道路の一部を構成している。現道は、岐阜・長野県境の安房峠を越えているが、この地域は豪雪地帯であるため11月中旬から5月初旬までの六ヶ月間にわたって完全に交通が途絶し、その役割を十分に果たすことができない状況にあった。
そこで、安房トンネルの調査を実施し、平成元年本杭に着手した。熱水帯や火山噴出物堆積層は種々の工法を駆使して解決し、現在、平湯側(岐阜県側)から1,813.4mまで進んでおり、今回はこの切羽まで貸切バスにて見学させて頂くことができた。(安房トンネル総延長4,350mのうち平湯側(岐阜県側)L=2,080m)

第三日目 神岡鉱業の地下空間

1200年の歴史を持つ神岡鉱山で、恵まれた岩盤特性を活用した地下空間利用施設を、以下のとおり見学させて頂いた。 スーパーカミオカンデ…東京大学宇宙線研究所の地下実験施設で、素粒子観測装置となる。地下1,000mに直径40m、高さ約55mの巨大円筒形の大空間で、検出装置取付前ということもあり、完成後は、巨大な水がめとなる底面から、また、約50mを見おろす上部の横穴から見学することができた。
CAES実験室…昭和33年以来、深夜電力を利用した圧縮空気の岩盤内貯蔵を行っている実績があり、現在CAESの基礎実験を実施している。これもまた、岩盤特性を100%生かした地下空間の利用法である。
減圧室…地下460mの地点に設置された高地トレーニング効果を生み出すスポーツ科学施設。面積90u、容積280m3のこの実験室は、コンクリートを打設した間仕切り壁と床以外、天盤、側壁とも岩盤のままで、減圧設備により減圧したその空間は、実験の結果、総コンクリート性の建物より、かなり気密性に優れていることが確認されているとのことでした。ちなみに当地下開発利用研究センターにおいても、複合的な利用が出来る都市部近郊立地の大規模な地下式減圧トレーニングセンターの基本計画を提案する事を目的に、本年度、プロジェクト計画策定事業の中でスタートしております。最後に、今回の見学会において熱心な説明をしていただいた関係者の方々に改めてお礼を申し上げます。

(技術開発第一部 西奥 克美 記)



■分科会活動状況報告■

今年度も、分科会の活動が佳境に入ってきました。今回は、本年度スタートした「都市部における多目的地下貯水システムに関する調査研究」と「多目的地下人工地盤構想に関する調査研究」の進捗状況を紹介致します。

「都市部における多目的地下貯水システムに関する調査研究」
@研究期間: 平成6年〜7年(予定) 
A主査企業: 大成建設梶@
Bマスタープラン分類: 利用・都市
C研究内容と進捗状況: 普遍的に存在する地下涵養水を活用した防火用水や緊急用飲料水、公園の散水などを、多目的に利用できる地下貯水システムについて、総合的に検討することを目的としており、9月21日開催の第1回分科会にて、実施計画とスケジュールが承認された後、ワーキンググループで水処理調査、システム検討、施設視察等を実施した。有効なシステムイメージを明確にし、報告書の作成に入る。
D分科会構成: 分科会長…梶 秀樹(国連地域開発センター所長)
  参加メンバー:筑波大、中央大、自治省消防庁、荏原製作所、応用地質、銭高組
E特記事項: 東京都建設局、水道局がオブザーバー参加している。

「多目的地下人工地盤構想に関する調査研究」
@研究期間: 平成6年〜7年(予定)
A主査企業: 清水建設梶@
Bマスタープラン分類: 利用・都市
C研究内容と進捗状況: 大都市における地下空間と複合機能利用、および機能再整備に対応可能な新社会インフラとしての、多目的地下人工地盤構想について、活用・運用方法、機能構成、空間構成、構造タイプ等について検討する。第1回分科会で実施計画とスケジュールの承認を受け、それ以後、都心部の地下利用、人工地盤等の現状調査を行い、12月12日(月)に開催した第2回分科会では、全体構成を検討・審議した。今後、地下型の人工地盤を導入する経緯、必然性、役割などを明らかにしてゆき、初期モデルを提案する予定である。
D分科会構成: 分科会長…日端 康雄(慶應義塾大学 教授)
  参加メンバー:東京ガス、安田火災、三菱地所、新日鐵、富士電機、ハザマ、コマツ、東急建設、西武建設



■アーバン・クリエーション’95出展■

当センターの本年度の主要な事業の一つとして、「アーバン・クリエーション’95」への協賛と、会員会社の協力を得て、展示参加を行います。これは「ジオテック’92」を合流継承したものであり、今回は、グローバルな見地から求められている地球環境の保全を考慮した「地球にやさしい都市づくり」という前回のコンセプトを継承しつつ、さらに環境整備の技術の応用が、都市の活性化や生活の潤いの創出に役立つことにまで踏み込み、技術情報・事例情報の相互交換を行うことを目的として、次の要領で開催されます。

1.開催日時: 1995年1月27日(金)〜30日(月) 4日間
2.開催場所: 東京国際見本市会場(晴海) C館(小間番号 C−2)
3.テーマ: 地球にやさしい都市づくり パートU 「環境都市への技術と活性化」
4.主 催: アーバンインフラ・テクノロジー推進会議、(財)都市づくりパブリックデザインセンター
5.後 援: 通産省、建設省、運輸省、郵政省、自治省、国土庁、その他公団・協会

地下センターは、本部と共同で模型・パネル・報告書を展示し、ビデオも放映いたします。当センターに関係して、大深度地下空間開発技術・リニアモーター垂直輸送システム・地下都市ごみ処理施設/地下清掃、地下下水処理施設工事・川内町地下空間利用技術・広域エネルギー総合供給システムが、展示されます。



■新年賀詞交歓会のご案内■

今年も、(財)エンジニアリング振興協会の新年賀詞交歓会が、以下の要領で開催されますので、皆様お誘い合わせのうえ、ご参加下さい。官庁、国会関係者、関連団体関係者、賛助会員等多数の方の出席が予定されています。

1.日 時: 1月6日(金)14:00〜16:00
2.場 所: 東京プリンスホテル 2階「プロビデンスホール」
(港区芝公園3−3−1 TEL:3432−1111)

(問い合わせは、中村まで)



■機関誌「エンジニアリング」特集号発行■

機関誌「エンジニアリング」bU5は、地下開発利用研究センターの設立5周年を記念し、特集号として発行されました。ぜひ、ご覧下さい。

○お詫びと訂正
 第63/1994.11に下記のとおり誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします。

 *1ページ中段右、新任委員の表、上から4行目
 井畔 端人氏(誤)→井畔 瑞人氏(正)

 *3ページ見出し
 CASE(誤)→CAES(正)