第68号/1995.4・5月合併号

■センター運営会議報告

■第33回定例理事会の開催

■連絡担当者会議開催

■地下開発利用研究センター職員名簿

■平成7年度地下センター事業の概要

■地下利用施設海外(ヨーロッパ)調査

■地下開発利用研究センター賛助会員名簿


■センター運営会議報告■

平成6年度第3回センター運営会議が、3月27日(月)午後1時から当協会において開催されました。協会を代表し、山口専務理事より地下センターの現状と平成7年度の見通しを含めて挨拶がありました。ついで、来賓を代表して通商産業省環境立地局産業施設課長の相澤 徹氏より、阪神大震災の建造物等への被害状況の傾向から、地下利用への関心が高まっており、大深度地下空間開発等も大いに進めるべきではないかなどの挨拶がありました。
引き続き、新委員の紹介が有り、議題の審議と報告が行われました。今回は、平成7年度の事業計画と予算、活動テーマの審議が中心となりました。議題と議事内容の概要は、下記の通りです。

議題 1 平成7年度事業計画および予算について

  1. .補助金要望結果について
    平成7年度機械工業振興資金要望総括表と同事業概要について、説明があった。
  2. .大深度地下空間開発技術予算について
    平成7年度は、小型地下ドームの開発等による総合実験の実施が中心となることについて、報告があった。
  3. .事業計画について
    地下空間の開発利用システムの研究開発等の推進、大深度地下空間開発技術に関する研究開発、調査資料情報の収集、広報事業、受託事業等に関する事業計画の説明があった。
  4. .地下センター予算について
    平成7年度の予算(案)総括と予算内容(案)について、説明があった。
議題 2 平成7年度新規研究テーマについて
    分科会、プロジェクト計画策定事業、実証試験の平成7年度活動テーマ(候補)について、説明された。以上の二議題が審議され、承認された。
議題 3 平成6年度事業進捗状況について
    平成6年度の、地下空間の開発利用システムの研究開発等、地下空間の開発利用に関する課題の調査研究、受託事業、広報事業等が、報告され、了承された。
    新任の委員は、次の方々です。(敬称略)
                 
     会 社 名 旧 委 員 新 委 員
    日立造船 永井 委員 古田 庄五 委員
    (ふるた しようご)
    三菱地所 宮本 委員 田中 清治 委員
    (たなか きよはる)
                 



■第33回定例理事会の開催■

3月30日(木)、午後3時30分から当協会に於いて、通商産業省機械情報局産業機械課長の藤野達夫氏を来賓にお迎えして開催されました。議題は次のとおりで、いずれも原案のとおり承認されました。

第1号議案 平成7年度事業計画(案)および収支予算(案)について(関連記事有り)

第2号議案 理事の交替に伴う役員選任について

次の方々の交替がありました(敬称略)。

 
新任 金子 尚志(日本電気椛纒\取締役社長)
辞任 関本 忠広
新任 菊池 幸司(古河電気工業椛纒\取締役副社長)
辞任 細川 宏一 
新任 小池  勇(鞄本興業銀行常務取締役)
辞任 加野 英資
新任 高野 泰明(三洋電気椛纒\取締役社長)
辞任 高木 清次



■連絡担当者会議開催■

日頃ENAAとの諸連絡業務をご担当いただいている賛助会員各社の連絡担当者の方々にお集まりいただき、協会の実情を説明し、併せて、ご意見ご要望を伺わせていただくためのENAA連絡担当者会議を、3月28日(火)に東海大学交友会館において開催いたしました。
佐伯専務理事の挨拶後に、山口専務理事、池松常務理事より、

@平成6年度事業概要、
A平成6年度受託事業(概要)、
B平成7年度機械振興資金総括表および補助事業概要、
C平成7年度事業計画および収支予算、
D平成7年度講習会開催予定等

についての説明および報告がおこなわれました。
会議には約150名の方々が出席され、会議終了後の親睦会では、連絡担当者の方々と意見交換を行い、一層の交流を深めることができました。



■地下開発利用研究センター名簿■

本年度は次のメンバーで、地下開発利用の促進に取り組みますので、宜しくお願いいたします。

〔管理部〕

〔管理部〕

所  長 山口 健
研究理事   宮川 彰彦
部長 鈴木 昭夫
課長 桜井 軍治
課長   藤沼 洋二
課長 代理 


渡部 芳恵
中村 裕己
池宮 由佳
鈴木 五郎
〔技術開発第一部〕
部 長   田村  章
主任研究員    田口 精亮
  小林 久恭
  小西 伸一
※  武井 一誠
斉藤 悟志 
研究員   西奥 克美

〔技術開発第二部〕
部 長   近藤 紘一
研究 主幹   小宮山哲朗
主任研究員    鈴木  巧
  大沼  寛

〔備蓄プロジェクト室〕
室 長 田村  章
研究 理事 星野 一男
主席研究員 平野 純義
技術 顧問 北風  宏
主任研究員  山田 耕三
 同    入江 正明

臨時 職員  周東 和子
吉原 洋子
津島美奈子
溜井  薫

(※新任メンバー、紹介記事有り)
(◇財団本部兼任)



■平成7年度地下センター事業の概要■

T.地下空間の開発利用システムの研究開発等の推進

  1. .地下空間利用に関する基本問題、都市、地方、既設空洞等、分野ごとの地下利用推進部会を設ける等により、当該分野におけるシステム開発のニーズの調査・分析、関連技術動向の把握等を行う。
  2. .新規性、社会的必要性の高い社会開発システムについて、地下空間の開発利用に関するシステム概念を構築することを目的として、研究開発を行う。本年度は、下記継続テーマを含め、合計4テーマ程度を選定して実施する。
    (1) 都市部における多目的地下貯水システムに関する調査研究
    (2) 地下多目的人工地盤に関する調査研究
  3. .既研究開発テーマ等の中から1テーマを取り上げ、実証試験に着手する。
  4. .社会開発プロジェクト等の計画策定(地下空間の開発利用)を行うため、本年度は下記継続テーマを含め、合計3テーマ程度を選定し調査研究を行う。
    (1) 地下空間を利用した減圧トレーニングセンターに関する調査研究
U.大深度地下空間開発技術に関する研究開発
  1. .高精度地下構造評価技術の研究開発
    地盤物性および地盤状況並びに地下構造三次元可視化技術を統合したシステムについて、実証実験結果を用いて定量的地盤評価を行い、本システムの性能確認を実施する。
  2. .大深度地下空間構築技術の研究開発
    各実証機械の実証実験の詳細計画を行うとともに、軟岩用急曲掘進機については、昨年度に引き続き実証実験のための準備工事を実施する。またジオドーム構築コンセプトの実証のためのミニドームを構築する。
  3. .大深度地下環境制御・防災技術の研究開発
    環境制御・防災技術の総合的システムの詳細検討を行い、極初期火災検知システムおよび漏洩光ファイバー避難誘導システムの実証実験を行う。
  4. .トータルシステム・利用技術の研究開発
    総合実証実験の計画をとりまとめる。
V.調査・資料情報の収集

W.地下空間の開発利用に関する広報事業等

  1. .センターニュースの発行
  2. .機関誌の発行(財団本部と共同)
  3. .講演会等の開催
  4. .国際会議等への参加および見学会等の開催
  5. .委員会活動等の成果発表会の開催
X.国、政府関係機関、地方公共団体等からの受託事業の実施



■地下利用施設海外(ヨーロッパ)調査■

当協会は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より「大深度地下空間開発技術の研究開発」を受託しているが、この度工業技術院漆原開発官とともに、ヨーロッパにおける地下空間の有効利用についての現地調査を3月19日〜26日に実施した。

主な視察先

1.ボルゲーゼ公園地下駐車場(ローマ)

古代遺跡が街のあちらこちらに点在するローマ市における地下利用の実績は古く、紀元前の遺跡や、地下墓地であるカタコンベ等に見ることができる。特に城壁で囲まれた旧市街には遺跡が多く、遺跡調査のために新たな地下利用の障害になっている。過去に地下を利用したおかげで、現在は使いづらいという皮肉な結果である。
さて、1973年に完成したこの駐車場は、民間会社がローマ市より公園を借用し、30年間の税金を免除され、約2000台を収容できる数少ない地下の駐車場である。「ローマの休日」で有名なスペイン広場まで4〜500mの地下道で、またヴェネト通りへはエスカレーターで連絡しており、地下街を併設している。
中央4ヵ所に明りとりと非常出口を兼用した直系10mの吹き抜けがあり、自然光が入り開放的で地下という圧迫感がない。またこの吹き抜けの地上部のコンクリートは樹木で囲まれて目立たないようにと景観への配慮が払われている。

2.ユーロトンネルと資料館(カレー)

パリ北駅8:10発ロンドン行きユーロスターは静かに専用ホームを滑り出し北へと向かった。1日4本の20両編成の車内は、ビジネスマンで8割の乗車。ブルーグレーと赤の落ちついた色合いの1等車のシートは座り心地もよく、時速300キロでも揺れは少ない。出発して30分すると、機内食ならぬ朝食のサービスが始まる。競合する飛行機を意識してのことだろう。食事も終わりのんびりとした田園風景を見ていると、前日視察したカレー市のユーロトンネル資料館を遠くに眺めてトンネルに入る。資料館ではトンネルの断面、ボーリングマシンの模型等が立体的に展示してあり、工事記録の映画等で200年間以上の悲願達成の過程をわかりやすく紹介してもらった。
我が国のボーリングマシンも活躍した50qの海底トンネルを僅か20分で走り抜け、対岸のイギリスのフォークストーンを通過。走行中の入国検査は簡単にすみ、パスポートには「CHANNEL TUNNEL」のスタンプが押してある。
イギリス国内は在来線を使用しているのでスピードは遅くなるが、レンガ造りの家が立ち並ぶ街並みを過ぎ新装なったウォータールー・インターナショナル駅に到着。パリから僅か3時間でロンドン市内へ。ユーロトンネルの地下利用は今後航空産業以外にも波及効果は大きい事が予想される。

3.郵便地下鉄道(ロンドン)

馬車で混雑していたロンドン市内の郵便物輸送の切り札として1927年に開通した郵便物輸送専用の地下鉄道(通商MAIL RAIL)は、現役で活躍しているのには驚かされた。
西のパディントン駅と東のホワイトチャペル間11`にある2つの国鉄駅と6つの集配所を結び、年間700万通の郵便物を輸送している。直径2.7mのシールドトンネル内の610oの軌道上を、小型の電気機関車に牽引された4両のコンテナが5分間隔で運転されている。バッグの積み降ろしは係員が行うが、2年前から運転はコンピュータコントロールの自動運転で行われている。1863年に世界初の地下鉄を開通させたロンドンだけに、東京に地下鉄が開通した頃にはMAIL RAILを開業し、その後も改良し利用の向上を図っている姿勢は見習いたい。この他、パリでは既設ビルの改装に伴い、地下駐車場の増設に地中連続壁工法を用いて地下3,4階まで掘削する椛蝸ム組の現場等も視察した。この場合も、ローマ市同様、地下利用に当たっては行政の指導や税制面での優遇措置が講じられ、地下利用しやすい環境にあることがわかった。

(技術開発第1部 小西 伸一 記)



■地下開発利用研究センター賛助会員名簿■

(☆:平成7年度新規会員)

●エンジニアリング専業(6)

千代田化工建設
東洋エンジニアリング
日揮
三機工業
日鉱エンジニアリング
日立プラント建設

●地質・コンサルタント(12) 応用地質
梶谷エンジニア
川崎地質
潟Lンキ地質センター
興亜開発
サンコーコンサルタント
潟_イヤコンサルタント
樺n球科学総合研究所
中央開発
鞄建設計
☆日鉱探開
三井鉱山エンジニアリング

●鉱業・石油精製(9) 昭和シェル石油
住友金属鉱山
日鉄鉱業
日本海洋掘削
日鉱金属
日本石油
三井金属資源開発
三菱マテリアル
帝石削井工業

●建設(41) 叶ツ木建設
椛蝸ム組
☆大盛工業
渇恆コ組
鹿島建設
きんでん
褐F谷組
轄ヲr組
佐藤工業
清水建設
株註ホ
住友建設
西部建設
椛K高組
大成建設
樺|中工務店
樺|中土木
大都工業
大豊建設
樺n崎工業
鉄建建設
東亜建設工業
東急建設
東洋建設
戸田建設
利根地下技術
飛島建設
西松建設
日産建設
日特建設
日本鋼管工事
日本国土開発
滑ヤ組
兜沒c組
潟tジタ
不動建設
前田建設工業
三井建設
三菱建設
村本建設
若築建設

●産業機械(12) 渇`原製作所
潟Nボタ
鰹ャ松製作所
ダイキン工業
鞄d業社機械製作所
トーヨーカネツ
叶V潟鐵工所
鞄本製鋼所
☆潟^クマ
フジテック
ホーチキ
三菱化工機

●鉄鋼(5) NKK
川崎製鉄
叶_戸製鋼所
新日本製鐵
住友金属工業

●造船・重機(6) 石川島播磨重工業
川崎重工業
住友重機械工業
日立造船
三井造船
三菱重工業

●電機・通信・計装(14) 住友電気工業
鞄月ナ
日本電気
能美防災
鞄立製作所
日立電線
ファナック
潟tジクラ
富士通
富士電機
古河電気工業
三菱電機
山武ハネウエル
横河電機

●窯業(1) 秩父小野田

●電力・ガス(7) 関西電力
中部電力
東京電力
電源開発
大阪ガス
東京ガス
東邦瓦斯

●不動産・運輸(1) 三菱地所

●損害保険(4) 住友海上火災保険
三井海上火災保険
東京海上火災保険
安田火災海上保険

●特別会員(2) (財)電力中央研究所
日本地下石油備蓄

○協力銀行(7) 鞄本長期信用銀行
且O和銀行
椛謌鼕ゥ業銀行
椛蝌a銀行
兜x士銀行
鰍ウくら銀行
且O菱銀行

普通会員
118
特別会員
賛助会員計
120
協力銀行