各サブタスクの平成6年度の成果概要


9.サブタスク9 革新的・先導的技術に関する調査・研究

9.1 研究開発目標

 本調査・研究は、革新的・先導的技術、在来型技術についての探索・評価(必要に応じて、最小限の要素研究も実施)を行い、有望な技術については、WE−NETプロジェクトの新しい技術開発分野・項目として、検討・提案を行い、WE−NETプロジェクトの研究開発に資することを目的とする。
 そのため、以下にあげる項目を第I期において実施する。

(1) 革新的・先導的技術の探索手法の確立と技術探索
 水素エネルギーシステムの段階的導入過程を考慮した中間的なシナリオの想定により、具体的な目標を段階的に策定し、それらを達成できる技術を探索する。

(2) 革新的・先導的技術の評価手法の確立と技術評価
 対象技術に依存しない評価手法を確立することで、広範囲でかつリードタイムも大幅に異なる技術を共通尺度により評価する。

(3) 革新的・先導的技術の要素研究
 (1)、(2)によりその技術の重要性が認められ要素研究が必要と判断された場合は、必要最小限の基礎的研究を行う。

(4) 在来型技術の動向調査と技術評価
 在来型技術であっても、それらの技術改良動向等により、WE−NET構成技術として有望であるかを調査し、その有効性を評価する。

(5) 新規技術開発分野・項目の検討
 (1)〜(4)の調査・研究により得られた有望な新規技術について、WE−NETプロジェクトの新しい技術開発分野として、検討・提案を行う。

9.2 平成6年度の調査結果

 平成6年度は、革新的・先導的技術の探索手法の確立と評価基準の策定を行った。

(1) 革新的・先導的技術の探索手法の確立と技術探索

  1. 革新的・先導的技術の探索手法の確立
     WE−NET構想では、収集すべき技術が多岐にわたりしかも研究期間も長期である。そのため、探索・評価対象となる技術の絞り込みが困難となっていた。そこで、以下の手法で技術探索を行うこととした。

    • 水素エネルギーシステムの段階的導入過程を考慮した中間的なシナリオを想定
    • シナリオ成立に必要な研究開発対象技術を明確化
    • シナリオの成立性についてフィージビリティスタディを実行
    • シナリオを成立させる上でボトルネックとなる技術を特定
    • それらをブレークスルー可能な技術を探索

  2. 中間シナリオならびにフィージビリティスタディのための技術調査
     技術調査用の標準アプリケーションフォームを作成し、以下の技術調査を開始した。

    • 中間シナリオの新規作成・改良を目的とした技術調査
    • フィージビリティスタディの実行を目的とした技術調査

(2) 革新的・先導的技術の評価手法の確立と技術評価

  1. 革新的・先導的技術の評価基準の確立
     WE−NETの将来の中核技術として成立するかどうかを環境に対する負荷、経済性、技術の成熟度、リードタイムなど多面的な項目(9項目)を用いて、対象技術に依存しない共通尺度により評価可能な手法を策定

9.3 平成7年度の調査・研究計画

(1) 革新的・先導的技術の探索
 平成6年度に確立した手法の妥当性検討ならびに技術の探索を目的とし、技術調査を継続する。

(2) 革新的・先導的技術の評価
 平成6年度に確立した評価手法の妥当性の検討並びに集収した技術についての評価を行う。

(3) 在来型技術の動向調査と技術評価
 在来型技術について、上記と同様の評価手法を用いて調査・評価を継続する。



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