まえがき



 我が国は化石燃料の枯渇と地球環境に対する不安から、ここ20年間程の間に新エネルギーの開発を精力的に進めてきた。
 その中で通商産業省工業技術院は、平成4年にニューサンシャイン計画の一環として水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE−NET)計画を提案した。
 本プロジェクトは世界的に遍在する再生可能エネルギーを利用して水から水素を製造し、これを輸送可能な媒体に変換して輸送し、エネルギー多消費地域に供給することにより、世界的な規模でエネルギーの有効利用を図ろうとするものである。
 WE−NET計画が実現し、世界的に普及されれば世界の炭酸ガスの発生量が低減されると共に、国際的なエネルギー需給が緩和され、さらに再生可能エネルギー保有国に新たなエネルギー生産、輸出産業の育成を促すことにもなる。
  21世紀に於ける世界規模での問題である地球温暖化などの環境問題とエネルギー問題の克服に資するためにも、本プロジェクトを地球規模で鋭意推進していくことは重要な課題であり、本プロジェクトを通じて広くクリーンエネルギーの政策及び研究・開発について活発に討論が行われることを期待する。本成果報告書は、平成11年度の成果を取りまとめたものである。

平成12年3月
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)


Copyright(C) 1998-2003 New Energy and Industrial Technology Development Organization