SEC 石油開発環境安全センター Home ENAA Top
新着情報 SEC概要 事業報告 SEC News 会員企業・関連リンク お問い合わせ アクセス 協会誌 サイトマップ

事業報告平成24年度 地熱発電の技術・環境課題の調査研究

戻る

(公益財団法人JKA 競輪補助事業)

1.概要

 当センターでは、自然環境保全と地域共生に配慮した地熱発電事業の推進を目的に、平成24年度に、JKA競輪補助事業の「地熱発電の技術・環境課題の調査研究」を実施しました。調査研究項目は以下の5項目であり、学識経験者を中心とした「地熱発電研究委員会」と賛助会員を中心にした「地熱発電環境リスク調査WG」を組織して調査研究を開始し、平成25年3月11日の第4回研究委員会・第11回調査WGを経て成果報告書を完成し、本調査研究を完了しました。

1)環境保全上の規制・手続き等の調査
2)発電所既設事例と計画事案の調査
3)環境負荷軽減技術に関する技術的基盤の整備
4)地域との合意形成・共生手法の検討
5)環境省・優良事例5条件に対する環境ガイドライン骨子案の提案

2.環境保全上の規制・手続き等の調査

 地熱発電所に対する自然公園法の規制内容を分析整理しました。また、平成23年度の地熱発電に対する規制見直しの動きを図-1に示すと共に,平成24年3月に発出された環境省新通知「国立・国定公園内における地熱開発の取扱について」と「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」の環境保全に対する考え方をまとめました。さらに、平成25年4月から完全施行される環境影響評価法に基づく環境アセスメント手続きを解説しました。

図-1 平成23年度の環境省による地熱発電関係の規制見直しに向けた動き

3.発電所既設事例と計画事案の調査

 国内外の既設発電所の環境対策や地域共生方策等の事例を調査して整理すると共に、国内計画事案の進捗状況・開発スケジュールおよび環境保全に対する取組方針等を調査しました。

4.環境負荷軽減技術に関する技術的基盤の整備

 地熱発電事業の調査~建設~操業の各段階における環境リスクを設定し、同リスクの環境負荷軽減技術に関する最新技術動向調査を行いました。環境負荷軽減技術は地上設備、掘削技術および掘削・坑井設備、建物デザイン技術、生態系保全・再生技術等であり、技術毎に各種対応策の技術内容・環境への影響・経済性等を比較できるように整理しました。

5.地域との合意形成・共生手法の検討

 地熱発電事業の推進には、地域との関係構築や合意形成が不可欠であり、地域共生方策の調査検討を行いました。合意形成の場の構築では、自治体の役割と重要性を示すと共に、合意形成プロセス・合意形成ツールおよび地域貢献策等に関する調査結果をまとめました。

6.環境省・優良事例5条件に対する環境ガイドライン骨子案の提案

 環境省・優良事例5条件に対して、環境負荷軽減技術や合意形成手法・地域共生方策の調査結果も盛込んだ『環境ガイドライン骨子案』を提案しました。骨子案は、優良事例5条件に対する評価基準・対応策として、図-2のように「期待される達成目標」「達成目標実現のための対応策」「今後の課題」で構成し、同条件をクリアする方策を具体的に示しました。また、環境影響評価手順と優良事例5条件の関係を整理し、対応策等の実施時期に対する判断資料を試作しました。

図-2 環境ガイドライン骨子案の構成


PAGE TOP
Copyright(C) 2009 Engineering Advancement Association of Japan. All Rights Reserved.