各サブタスクの平成10年度の成果概要


1.サブタスク1 総合評価と開発計画のための調査・研究

1.1 研究開発目標

 総合評価と開発計画のための調査・研究の第 I 期研究開発計画の目標は、第I期研究開発成果の評価および第U研究開発の進め方案の検討・作成である。平成10年度の研究計画は、WE-NETを構成する各要素技術の研究開発状況の現状整理、WE-NETプロジェクト全体の総合調整、第 I 期開発成果の横断的評価と第 II 期研究開発計画の検討である。
 研究計画実施のために、各サブタスクの委員長、学識経験者からなる委員会を設置し、WE-NET全体システムおよび各構成技術の開発を担当する各サブタスクの研究実施計画および研究成果を検討した。また、(財)エネルギー総合工学研究所・WE-NETセンター内に設置した各サブタスクの研究リーダーよりなる「研究リーダー会議」を通じ、研究開発の現況把握を行うと共に、各サブタスクにまたがる諸問題につき調整を行うこととした。
 上記研究計画および実施・推進体制のもとに平成10年度の研究を実施した。以下にその検討と成果の概要を示す。

1.2 平成10年度の研究開発成果

(1) WE-NET構成技術開発状況の現状整理
 年間に実施した10回の研究リーダ会議を通じて、WE-NET各構成要素技術の進捗状況を把握すると共に、各サブタスクの委員会、部会、WG等に出席し、直接進捗状況を把握した。また、これら進捗状況を毎月簡潔な一覧表にまとめた。海外の技術開発状況に関しては、水素エネルギー技術に関する国際会議である第12回世界水素会議に参加し、WE-NETプロジェクトの進捗状況を報告するとともに、各国の最新動向を把握した。さらに第8回カナダ水素会議に参加し、カナダにおける持続可能エネルギーシステムに関する研究開発動向を把握した。

(2) WE-NETプロジェクト全体の総合調整
 WE-NETプロジェクト全体の研究開発の最適化を図るための総合調整を恒常的に実施した。具体的には、WE-NET全体システムコスト見直しに関わる調整、WE-NET 6年間の成果のまとめ、自己評価作成に関する調整およびWE-NETインターネット・ホームページ開設に関わる質問対応についての調整等を実施した。

(3) 第 I 期研究開発成果の横断的評価
 開発成果の横断的評価のために、各サブタスクの委員長等により構成されるサブタスク1委員会を開催し、本年度の成果を含むWE-NET 6年間の開発成果に関して横断的評価を実施した。

(4) 第 II 期計画の検討
 第 II 期計画に関しては、小規模・分散利用技術導入促進の観点から可能性のある水素源として、バイオマス及びメタノールの資源及び利用技術の調査を実施した。また、第 II 期研究開発基本計画原案検討のために、関連委託先との打ち合わせ、関係者間での討議を実施し、検討結果をNEDOに提出した。また、第 II 期研究開発項目ごとに開発目標の根拠等について整理した資料を作成し、NEDOに提出した。

1.3 今後の進め方および課題

 中間評価およびプレ最終評価における指摘を踏まえ、WE-NET第 II 期の実施に際しては、より総合調整機能を強化してプロジェクトの合理的推進に努めると共に、短・中期での現実的な水素導入シナリオ、導入戦略を検討し、水素導入方策を明らかにする必要がある。



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