各サブタスクの平成6年度の成果概要


8.サブタスク8 水素燃焼タービンの開発

8.1 水素燃焼タービン最適システムの評価

8.1.1 これまでの経緯

 平成5年度は、水素燃焼タービンのシステム解析に必要な作動媒体の高温物性の調査を行うとともに、高効率化が可能な水素燃焼タービンの各種サイクルを調査・検討した。

  1. 水蒸気の高温物性としては、NBS(現NlST)の蒸気表が適用範囲、信頼性ともに優れているため、今後の計算には、NBSの蒸気表を用いることとした。

  2. 各種提案されている水素燃焼タービンサイクルについて、効率の簡略な試算を行った結果、効率は低い順に不活性ガス循環、水蒸気循環、水蒸気直接膨張、トッピング抽気、ボトミング再熱の各サイクルとなった。

8.1.2 目的

 平成6年度は、提案されている各種の水素燃焼タービンサイクルの性能を同一計算条件のもとで比較するとともに、圧力・温度などの各種パラメータが発電効率に与える影響の検討、要素機器の概略設計による機器効率などの見直し、プラント起動手順の検討などを行い、各再委託先毎に最適サイクルの絞り込みを行った。

8.1.3 内容

(1) 基本条件における各種サイクルの効率比較
 各種水素燃焼タービンサイクル(図8-1-1)を比較するための基本計算条件を設定し(表8-1-1)、同一条件の下で各サイクルの効率計算を行った(表8-1-2)。

(2) 各種パラメータが効率へおよぼす影響の検討
 温度・圧力などのパラメータが発電効率に与える影響を検討した。この結果、不活性ガス循環サイクルでは、サイクル最高温度を2,000℃としても目標である効率60%を達成できないことが分かった。

(3) 主要構成機器の概略設計
 主要構成機器の概略設計を行い、タービン翼高さ、タービン効率、熱交換器圧力損失などの見直しを行った(表8-1-3)。

8.1.4 今後の展開

 平成7年度は各再委託先毎に絞り込みを行ったサイクルについて、概念設計を行うとともに、パイロットプラント基本計画の検討を行う。



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