理事長挨拶(2013年7月)

 本年8月、当協会は設立35年を迎えます。
 先般、政府において産業競争力の強化・支援政策を含む成長戦略が決定されました。わが国の産業競争力を本質的に強化し、今後わが国経済がより一層の成長を遂げていくためのチャンスと正念場を迎えており、エンジニアリング業界の果たすべき役割は極めて重要です。

 当協会としては、今後、以下の3点に重点をおいて活動していきたいと考えております。

 1点目は、更なる発信力強化に努めていくことです。
当協会では、政策提言活動として、昨年5月と本年4月に提言を政府に提出しました。特に、後者の海外安全対策に関わる緊急政策提言は、テロを始めとする危機管理に関する提言であり、インフラ海外展開を推進する基盤として、今後も継続的なフォロー活動を実施していきます。
 また、昨年度、年間約50回にわたり開催し参加者に好評を得ている講演会活動や、学生さん向けにエンジニアリング業界の魅力を伝える「業界セミナー」など各方面に向けた発信に今後とも注力していきます。当協会のホームページも今回リニューアルし、来月には広報誌「Engineering」において「35周年記念特集号」を発刊しますので、是非ご覧いただきたいと思います。

 2点目は、人材育成活動を充実していくことです。
 当協会では、「ENAAアカデミー」と称した各種講座を構え、講座編成のカスタマイズや出前講座、英語で学ぶ海外プロマネ育成コースなど、様々な工夫を加えながら会員企業等への活動を実施するとともに、大学・大学院への講師派遣等、様々な局面での人材育成活動を推進しています。講座内容の見直しを常に加えながら今後とも本活動に力を入れていきたいと思います。

 3点目は調査・研究開発事業を強力に進めていくことです。
 当協会は、専業エンジ、鉄鋼、総合建設、造船・重機、電機・通信・計装、産業機械などの幅広い業種の会員企業で構成されております。個別業界の枠を超えて会員企業が得意とする要素技術や知見を持ち寄り、組み合せ、統合することにより、新たな社会的価値をもったシステムを構築することが正に「エンジニアリング」であり、当協会の強みと言えます。
 シェールガスを始めとする新規資源・エネルギー開発など社会が求める課題は山積しており、この強みを充分に活かし、魅力ある調査・研究テーマの提案や、新たなテーマの探索を行い、新規の受託事業・補助事業につなげていく活動を強化していきます。

 今後とも、当協会として、社会経済の発展と環境の調和した社会システムの構築を新たに切り拓く役割を高い志を持って果たしていく所存です。関係官庁、関係諸団体、会員企業の皆様のご指導、ご支援をいただきたいと思います。

2013年7月
一般財団法人エンジニアリング協会理事長

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