gec-header_small

GECとはWhat’s GEC


一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター

所長 奥村 忠彦

「地下開発利用研究センター(Geo-space Engineering Center:GECと称す)」は、地下空間の高度な開発利用に必要なエンジニアリングの研究開発を行うために、民間企業と通商産業省(現経済産業省)の支援を受け、1989年9月旧財団法人エンジニアリング振興協会の付置機関として設立されました。2011年4月1日に一般財団法人エンジニアリング協会に移行しました。
GECでは、身近なフロンティア-地下空間-の特徴を活用して地上の環境を守り、市民のくらしと安全に役立ち、また新たな産業経済社会の発展を実現するために、多くの専門分野にわたる会員企業の力を結集し、関係官庁・大学等の支援・指導を得てエンジニアリングの研究開発を推進しています。
GECは、非営利・中立の財団法人として、近未来に向けた調和のとれた都市形成と安心・安全な生活・文化の創造に大いに貢献したいと考えています。

GECの主な事業活動は、以下のとおりです。

  1. 地下空間開発利用に関する調査研究に関すること
  2. 地下空間開発利用に関する資料・情報収集及び提供に関すること
  3. 地下空間開発利用に関する研究開発に関すること
  4. 地下空間開発利用に関する技術的指導に関すること
  5. 地下空間開発利用に関する国際会議の開催・参加等国際交流の推進に関すること
  6. 地下空間開発利用に関する普及啓発に関すること
  7. その他地下空間の開発利用推進のために必要な事業

この内、今まで行ってきた調査・研究・開発の主な成果としては以下のものがあります。


ジオ・スペース イメージ

2002年4月、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法が施行され、通常利用されない大深度地下の適正かつ合理的な利用に向けて、様々な事業分野から注目されつつあります。
GECでは、大深度地下開発に対応するために「地下空間利用ガイドブック(1994年版)」を編纂し、また地下の環境との共存に向けて「地下構造物と地下水環境(2002年版)」を編集しました。
また、これらの総合的な活動の中で、NEDOからの受託業務「大深度地下空間開発技術の研究開発(1989年度~1996年度)」等により大深度地下空間利用プロジェクトの創出に向けて研究開発を行ってきました。
都市部における大深度地下空間の開発を支える技術として以下のような要素技術及びトータルシステムの研究開発に取組み、実証試験を経て成果を挙げています。

高精度地下構造評価技術限られたボーリングから三次元地下構造を把握

総合施工技術

  • 軟岩用急曲掘進機立体的な螺旋で地下の地盤を補強する
  • 現場成形型FRPロックボルト地下の地盤の強度を最大限に活用する
  • 水没自動掘削機地下水を汲み上げずに地下を掘削する
  • 水没自動ライニング機地下水を汲み上げずに遮水壁をつくる

環境監視・総合安全対策技術

  • 通気対策技術地下の環境を快適に保つ
  • 地下空間維持対策技術地下空間構造の長期的な安定を確保する
  • 火災対策技術極初期火災検知から監視・消火までを行う
  • 退避対策技術万一の災害時に安全な退避を確保する
  • 地下水維持対策技術地下水環境を保全する

トータルシステム・利用技術さまざまの用途に対して利用条件を解決する


技術開発による大深度地下利用のイメージ
国土交通省 都市・地域整備局大都市圏整備課 大深度地下利用企画室
「大深度地下利用に関する技術開発ビジョン(平成15年1月)」より引用

国土交通省の技術開発

平成12~13年に国土交通省が「大深度地下利用に関する技術開発ビジョン検討委員会(委員長:黒川洸東京工業大学名誉教授)」で大深度地下利用に必要となる技術開発の方向性、具体な技術開発項目について検討を行った。
22の技術開発項目が検討されたが、(財)エンジニアリング振興協会・地下開発利用研究センターは国土交通省の委託によって、次の7項目の検討を担当した。

  1. 換気技術
  2. 防災システム
  3. 垂直輸送システム
  4. 移動・物流システム
  5. 地下環境アセスメント
  6. 地下水制御技術
  7. 大規模空間掘削構築技術

本成果は、平成15年1月国土交通省発行の「大深度地下利用に関する技術開発ビジョン」にとりまとめられている。

大深度地下利用技術ビジョンの詳細は、以下のリンク先をご参照下さい。
■国土交通省ホームページ「大深度地下利用に関する技術開発ビジョン」の公表について
URL:http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/04/040110_.html

大深度地下物流システム

平成17年度の地下利用推進部会で、地下空間利用の一つとして、首都圏の大深度地下を活用して、東京湾に入る国際海上コンテナを郊外に輸送するシステムが提案されました。これを受けて、平成20~22年度の3年間、東京港大井埠頭エリアから3環状道路の外側の圏央道の青梅インターまで、約50kmの大深度地下トンネルを2本建設して、大井埠頭エリアに輸入される国際海上コンテナを輸送するシステムを構築しました。
圏央道内部に入る大型トレーラーを制限することにより、B/C(費用対効果)は1.4程度に向上し、都内のCO2排出量の削減に大きく貢献できることを明らかにしました。同時に、東京港の税関施設等を青梅地区に移転できるため、東京港の用地を有効利用できるメリットもあり、東京港の国際競争力向上にも大きく貢献できることがわかりました。
これらの成果を、現在、PPP/PFI事業等に提案しています。


図1 大深度地下物流システムのルート

石油、LPG国家備蓄

石油備蓄は、1972(昭和47)年度から民間石油企業により実施され、国家備蓄事業としては、旧石油公団(2004年2月に(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構に組織変更)により1973(昭和53)年度から3,000万kL体制を目標に開始され、その後、1989(平成元)年度からは5,000万kLに変更されています。
当協会は、国家備蓄基地のうち地上・地中・地下基地の全候補地点(洋上基地を除く)のフィージビリティ・スタディ(基本計画策定及び立地可能性調査)を旧石油公団より受託し、また地下備蓄基地(久慈、菊間、串木野)の予備設計、立地可能性調査、事前確認業務を実施しました。
石油ガス(LPG)国家備蓄事業は、2010(平成22)年度に150万トンの石油ガス国家備蓄目標の達成に向け、旧石油公団が1993(平成5)年度以降、これまでに5候補地点(七尾市、福島町、波方町、倉敷市及び神栖町)において調査を実施し、GECと(財)エルピーガス振興センターとの共同企業体で石油ガス国家備蓄基地の詳細調査、基本計画調査を旧石油公団より受託し、七尾基地、福島基地、波方基地、倉敷基地及び神栖基地において実施しました。

石油ガス国家備蓄計画地点の概要

基地名称 七尾基地 福島基地 波方基地 倉敷基地 神栖基地
所在地 石川県七尾市 長崎県北松浦郡福島町 愛媛県越智郡波方町 岡山県倉敷市 茨城県鹿島郡神栖町
備蓄方式 地上タンク方式金属二重殻 地上タンク方式金属二重殻 水封式地下岩盤著層方式石油ガス常温貯蔵 水封式地下岩盤著層方式石油ガス常温貯蔵 地上タンク方式金属二重殻
備蓄容量 25万トン 20万トン 45万トン 40万トン 20万トン
内訳 プロパン5万トン×3基
ブタン5万トン×2基
プロパン5万トン×3基
ブタン5万トン×1基
プロパン30万トン
ブタン15万トン
プロパン40万トン プロパン5万トン×1基
プロパン・ブタン兼用5万トン×3基
面積 約25ha 約16ha 約6ha 約3ha 約12ha
完成時期 平成17年7月完成 平成17年9月完成 平成25年5月完成 平成25年3月完成 平成18年1月完成

LNG岩盤貯蔵システム

平成18年度、JOGMECから「石油ガス地下貯蔵新技術調査」を受託した時に参画していた会員企業を中心として、平成20年度より、LNGを地下岩盤に貯蔵する方式について自主研究として調査研究を行ってきました。
LNGは-162℃の極低温ですので、地下岩盤の空洞に通常の覆工を建設しただけでは岩盤が凍結するために、地下貯蔵できないと考えられていました。そこで、コンクリート覆工の外側に温熱ヒーターを配置することによって、覆工の外側の岩盤を凍結させない方法を採用することにしました。
この方式の適地、BOG(Boil Off Gas)の処理のし方、メンブレン及び建設方法、事業性等について検討し、一応の成果を得ました。
わが国では東日本大震災後、天然ガスの輸入が増えていますので、日本全体で天然ガスを融通し合うためのパイプライン、長距離パイプラインの中間貯蔵施設(地下が望ましい)等の建設が望まれています。本提案はこの中間貯蔵施設等に適用できますので、時宜に合ったものです。
現在、国の動向を見ながら、提案の時期を探っています。


図2 LNG地下岩盤貯蔵システムの概念図

地下空間は本来、不燃性です。振動や音も伝えにくく、地上の災害の影響もほとんど受けません。年間を通して温度もほぼ一定です。こうした地下空間の優れた特性を活かし、効率的で安全・安心な、かつ環境との調和を考慮した地下空間利用のあり方について、以下に示すさまざまなエンジニアリング・アプローチを行っています。

地下におけるエネルギー・貯蔵システム
LNG低温岩盤貯蔵システム 岩盤を利用してエネルギーを安全に貯蔵
天然ガス固体化地下貯蔵システム 天然ガスを水和物にして貯蔵、再ガス化が容易
新燃料(超重質油)の地下貯蔵システム 安価な新燃料を合理的に貯蔵
地下備蓄技術の研究 地上で使う熱を地下に大量に貯える
広域熱供給に関する研究 産業や社会施設等の排熱を業務用などの熱需要に向ける
都市型電力貯蔵 夜間電力を圧縮空気のエネルギーに変えて昼間の電力に転換
下水汚泥利用ガスタービン燃焼技術の研究 下水汚泥発酵ガスから電力を取り出す
夜間電力活用型地下下水処理システム 夜間電力のエネルギーを昼間に活用
重泥水による高出力CAES 水圧バランス型の効率的な圧縮空気エネ ルギー貯蔵
既存インフラを活用した利雪システム 雪氷エネルギー利用の事業性を確保
雪を冷熱源とした冷熱蓄熱システム 冬季の冷熱を新エネルギーとして夏季に活用
冷凍・冷蔵地下貯蔵システム 地下の断熱性と保冷性を有効に活用、設備費も低減
鉱山のエネルギー使用合理化の研究 金属鉱山のエネルギー消費を低減する
地下の物流システム
リニアモーターによる垂直輸送システム 水平・垂直に連続して輸送
チューブ型地下物流システム 輸送のための炭酸ガス削減と省エネルギーを実現
地下における都市・社会システム
地下利用ガイドプラン原案策定調査 計画的・合理的な地下利用の推進
社会インフラ・ライフラインの再構築化システム 安全で維持しやすい街をめざす社会基盤
地下利用都市複合エネルギーシステム 地下の大動脈エネルギーネットワーク
都市のエネルギー効率の向上に関する基本構造 都市におけるエネルギーの供給・変換・消費構造を解決
駅周辺立体整備計画 人と車を立体的に分離して緑あふれる地上を実現
丘陵核都市における総合的地下利用 地上の自然と街の活力を両立
地下多目的アリーナ 地上の天候に左右されず、冬も暖かい立体的イベント
地下複合型ジオアミューズメント・センター 新たな文化の創造と発信
地下空間における空間デザイン 地下構造を生かした安らぎとリズム感
外郭にスパイラルトンネルがあるドーム空間 地下の環境を守りながら地下空間を利用
地下の安全・防災
夜間空間の安全性評価手法 地上とは異なる地下空間の安全確保
給水・給電システムを考慮した
複合型地下防災システム
広範な防災支援
未利用地下空間の合理的閉塞充填システム 地下空間の安全な再利用のために
災害時の地下避難施設 地上の都市災害は安全な地下で救助
地下を利用した浮体免震システム 振動や地震の影響を受けにくい社会資本
地下における環境・廃棄物
地下利用に伴う地下水保全・浄化システム 地下水を阻害しない地下利用技術
最終処分場遮水システム 遮水シートに万一の不具合が生じても地下の汚染を防止
地下空間開発計画立地選定評価システム 地下空間開発および立地選定の評価方法
地下空間の環境シミュレーション解析法 閉鎖環境での特徴解析
廃棄物を中心とする博覧会地下空間利用 地下を利用して地上の自然を保全
都市型地下式清掃工場システム 街のくらしに必要な施設を地下に分離
山岳地下式清掃工場システム ごみ広域化処理のアクセス課題を解決
廃棄物の地下保管および再資源化 廃棄物を大深度地下に保管して再利用
地下開発ツール
次世代地下探査技術 地下の地盤構造を高い精度で三次元探査
地下空間開発計画立地選定評価システム 地下空間開発および立地選定の評価方法

経済産業省の補助事業をRITE分室として実施

温暖化ガス排出規制が世界中で叫ばれる中、わが国でも、温暖化ガス、中でも二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する設備機械の開発とともに、CO2を地中貯留する技術開発が経済産業省の主導で進められています。その技術開発にENAAはRITE分室として参画しました。
Phase-1(平成12~16年度)では、長岡の岩野原の地下に約1万トンのCO2を貯留する実証実験がなされ、その後、地中のCO2の挙動に関するモニタリングが平成17~20年の間に行われました。
Phase-2(平成17~20年度)は、岩野原の地下のモニタリング、ケーススタディーによるエンジニアリング、全国のCO2貯留賦存量のポテンシャル調査が行われました。GECは「全国のCO2貯留賦存量調査」を担当しました。
平成16年度にNEDO事業で九州北部におけるCO2貯留可能量の調査を行っていましたので、その延長で実施することができました。将来、CCSを事業とする会社、地質調査会社、シミュレーション等ができる建設会社等から構成する作業部会を編成して作業を行いました。
成果としては、(1)この事業の前に実施していた地質調査データを分析して、沿岸域の海底の地質を二つに分類し、全国のCO2貯留可能量を約1,460億トンと推定、(2)CO2の大規模排出源(火力発電所等)の近傍及び中小規模排出源の近傍の個別調査をして、それぞれのCO2貯留可能量を推定し、合計で約350億トンのCO2貯留可能量を増大させ、(3)海底下の遮蔽層及び貯留層の地質を調査する試験方法の目安をつけ、(4)遮蔽層、貯留層を調査するマニュアルを作成するとともに、全国の貯留量の検索ができるシステムを構築しました。
これらの成果は、現在、経済産業省が進めている実証試験等に展開されています。


図3 CCSの概念図

JKA補助事業として分散型CCSの調査研究の実施

平成22~23年度にJKA補助事業として、CO2を1~10万トン/年貯留する中小規模のCCSに対して、マイクロバブルの中にCO2を閉じ込めて、地中に貯留する方法に関する調査研究を行って、実現可能性の目処をつけました。
その後、平成25~26年度にJKA補助事業として、同様にマイクロバブルを利用してCO2を地下の石灰岩層に貯留して、中和して鉱物固定する調査研究を行って、実現の目処を得ました。全国の石灰岩層を調査して、本技術の適地の検討も行いました。
東日本大震災後、CO2排出量の削減は難しかったですが、2015年度になって、政府は2030年度に向けてCO2排出量の削減目標を打ち出すようになってきました。本技術の事業性を検討しながら、提案していくつもりです。

熱電変換システムは、半導体素子により熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる、長寿命、小型・軽量、保守容易なシステムであり、小規模・分散型排熱の有効利用による省エネルギーや二酸化炭素排出抑制等に有効な新エネルギーシステムとして注目されています。
熱電変換技術は、20世紀初頭から研究開発が進められてきましたが、変換効率が低かったためこれまで実用化が進みませんでした。しかし、近年の新たなアプローチによって、熱電変換技術の限界は理論・実験の両面から従来の常識を超え、高効率な熱電変換の実用が提案・実証されてきています。今日ではシステムが要求する仕様を満たす変換効率の向上が現実のものとなり、実用化を目指す研究が開始されています。
GECでは1993年度より、熱電変換技術の開発に取り組んできました。
その実績を踏まえ、2002年度から5ヵ年で、地球温暖化防止新技術プログラムの一環である「高効率熱電変換システムの開発」プロジェクト(NEDO技術開発機構助成事業[2002年度は経済産業省補助事業])に取り組みました。このプロジェクトでは、熱電変換効率15%(モジュール両端温度差550Kを基準)の高効率熱電変換モジュールの開発に目途をつけるとともに、その高効率熱電変換モジュールを用いたシステムの実証を行いました。
このプロジェクトにおいて、GECは会員企業と研究連携体を形成し、梶川プロジェクトリーダー(湘南工科大学元学長・教授)を中心として互いに協調と競争を行いながら、研究開発の効率的な推進を担いました。2004年度末に実施された中間評価では高い評価を得ていました。この成果を踏まえ、2005年10月には「熱電発電フォーラム」を開催するなど、熱電変換技術の実用化と普及に向けた啓蒙活動を推進していました。

わが国ではエネルギーの多様化、安定供給が求められていますので、東日本大震災が発生する前の平成22年度からJKA補助事業として、低温地熱(70~120℃)発電と発電後の熱水活用による地域振興事業の調査を実施していました。
東日本大震災発生後、すぐに東北復興にこの地域振興プロジェクトを提案して回りました。
経済産業省、JOGMECも再生可能エネルギーの中でも地熱発電の普及に熱心で、JOGMECの委託を受けて、小規模地熱発電に関する手引書、温泉発電導入手引書、小規模地熱発電プラント設計ガイドライン等を作成して、全国に展開しています。
経済産業省も地熱発電を促進するために地元の理解を得ることが重要と考えて、地熱関連理解促進事業を平成25年度から開始しました。地方自治体、温泉事業者等が事業主体となりますので、いろいろな自治体から支援の要請がありましたので、受託事業として実施しています。
また、ENAA独自の活動として、ENAA内に「地熱プロジェクト推進室」を創設して、地熱の専門部署として活動できるように体制を整備しました。自主的な研究活動として、「小規模地熱発電・熱水活用研究会」を立上げて、約60団体・企業と一緒に講演会による情報提供をし、WGの少人数で、具体的なケーススタディー等も行っています。
当面、地熱発電、熱水活用事業のニーズは高いので、積極的に全国に展開していきます。


図4 小規模地熱発電と熱水活用事業の概念図

道路下の地中に空洞が発生して道路が陥没する事故が発生して社会問題となり、地中の空洞を精度良く計測する技術が求められています。
自然宇宙線ミュー粒子は地中でも透過能力が高く、地下1,000m程度まで透過できます。そこで、ミュー粒子をカウントできるシンチレータを上下に2個配置して、同時に通過するミュー粒子をカウントすることによって、方向性を持った計測ができる計測器を世界で初めて開発しました。計測器を移動して計測し、何点かで計測したデータから新たに開発したトモグラフィー解析技術で、地中の空洞を可視化することに成功し、都内の地下で実証しました。
これは、(一財)機械システム振興協会から平成20~22年間、受託事業として開発し、平成23年度はJKAの補助事業として、地下環境に適した計測器に改造しました。
その後、JAEA(日本原子力研究開発機構)の試験炉で原子炉内部を可視化する可能性も明らかにしました。
地中の空洞調査のニーズがありますので、実証を積み重ねるとともに、事業化に向けた検討も行っています。


写真1 マルチ計測器

GEC設立後5年経過した1994年に地下空間利用に関するバイブルとも言える「地下空間利用ガイドブック」を発刊しました。
設立20周年を迎え、ENAA広報誌「Engineering」の特集号を企画し、座談会も行いました。その中で、「地下空間利用ガイドブック」発刊から20年程度経過し、その間に多くの事例が完成したり、社会も変化してきているので、改訂版を出したらどうか、とのご意見をいただきました。
早速、GECの中に編集委員会を立上げ、3章構成で編集することが決まりました。第1章は、過去約20年間の社会・経済・災害・法制度の変遷を、第2章は事例を国内外から集め、最終的には72事例を、第3章は今後の展望について執筆することになりました。編集委員等の協力のお蔭で、500ページ弱の「地下空間利用ガイドブック2013」を2013年3月に発刊することができました。
最新の地下空間利用に関する情報を網羅した本として高く評価されています。
設立25周年を迎えて、記念行事として英語版を出版したらどうか、とのご意見が出て、改めて編集委員会を立ち上げて、現在、編集しています。平成27年度上期中には発刊できる見込みです。

地下センターでは、地下空間利用の教科書となるように、設立20周年を記念して「地下空間利用ガイドブック2013」日本語版を発刊し, この度、設立25周年を記念して、その英語版を発刊する運びとなりました。本刊は、海外の技術者を対象とするために、1章は日本の地質・地形等を示して、日本が地下空間を積極的に利用している背景を記述しました。2章の適用事例は海外事例も含めて52事例について最新情報を掲載しています。3章は将来の利用を示しています。 
本刊は海外の発注者、コンサルタント、建設会社、エンジニアリング会社等の技術者、また、日本のコンサルタント、建設会社、エンジニアリング会社等の技術者にも参考になる内容となっています。