皆様、新年明けましておめでとうございます。令和2年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
さて今年は、なんといっても東京オリンピック・パラリンピックの年です。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会によりますと、大会ビジョンは、3つのコンセプトからなっております。
①全員が自己ベスト
②多様性と調和
③未来への継承
言い換えると、「すべての人が自己ベストを目指し、一人ひとりが互いを認め合い、そして、未来へつなげよう」となります。
このビジョンは我々のエンジニアリング産業でも当てはまるのではないでしょうか。与えられた職務を全うすることはもちろんのこと、国を跨ぐ活動をしているわが産業にとって、多様な違いを認め合い、支えあい、活かしあうことはビジネスの根本になります。また、この産業が持続的な成長をして、子供や孫の世代まで継承していかなければならないと考えております。
世界に目を向けますと、まず、世界経済への影響が懸念される米中経済摩擦の行方や、アメリカの大統領選挙の動向も気になるところです。中東に目を転ずれば、年明け早々にアメリカとイランの対立が激化するなど、地政学上のリスクは決して減少しておりません。その他、イギリスとEUの今後の関係がどうなるかなど、ヨーロッパ情勢も不透明です。
こうした不透明感を増す国際情勢の中で、海外ビジネスを積極的に展開する賛助会員企業を、少しでもお支えすることがエンジニアリング協会の使命であると考えております。
そこで、今年のエンジニアリング協会の主要な活動についてお話いたします。昨年6月に私が理事長に選任された際にも申し上げましたが、今後の賛助会員企業のビジネス展開に当たって、適切なパートナー企業と連携して事業を進めていくことが重要であると考えております。このため、協会内に新たに「ビジネス・イノベーション委員会」を設け、ビジネスマッチングを目的とした技術交流展を来春に開催することを目指して、鋭意検討を行っております。
また、先月スペインマドリッドで開催されたCOP25でも明らかになったように、地球温暖化問題などの地球環境問題は深刻さを増しており、エンジニアリング産業としても、その解決に向けて積極的に対応していく必要があります。このため、地熱発電の設備利用率向上のための手法や、洋上風力発電設備設置のための設計・施工ガイドラインの策定、更には小規模ガス田の有効活用方策の検討などを、関係省庁の資金的なご支援を頂きながら、実施しております。
さらに、エンジニアリング産業の最も重要な経営資源は、人材であります。このため、大学生を対象とした「業界セミナー」や「キャリア支援セミナー」を実施しております。また、若手社会人を対象として、プロジェクトマネジメント講座を実施しており、毎年、約800名の方々に参加いただいております。特に、昨年から「仮想プロジェクトで学ぶマネジメント実践力」コースを開講しました。このコースは、中規模の海外プロジェクトを題材として、プロジェクトマネージャーの役割を仮想体験できる実践的な講座としてご用意いたしました。ぜひ多くの賛助会員企業の皆様にご参加を検討いただきたく思います。
当協会は今後とも、魅力ある企画を積極的に推進してまいる所存でございますので、皆様方におかれましては、より一層のご支援・ご指導を賜りますようよろしくお願いいたします。

2020年1月
一般財団法人エンジニアリング協会理事長

PAGETOP