理事長年頭挨拶(2026年1月)

皆さま、新年あけましておめでとうございます。
エンジニアリング協会理事長の寺嶋でございます。
2026年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
さて、まず国際情勢に目を向けますと、米国では第2次トランプ政権が発足し、国際秩序や経済政策に大きな変化が生じました。
ロシアによるウクライナ侵攻は依然として出口が見えず、米中の対立も続くなか、わが国を含む世界各国は、先行き不透明な状況に置かれています。
一方、国内に目を向けますと、円安の長期化に伴う資材・エネルギー価格の高騰や人材不足など、厳しい環境が続いています。
しかし、年後半には高市政権が誕生し、「責任ある積極財政」や「危機管理投資」が掲げられ、AI・半導体・エネルギー分野への戦略的投資が見込まれるなど、エンジニアリング業界にとって追い風となる可能性も示されました。今後の政策の動向が注目されるところです。
こうした国際・国内の変化を的確に捉え、柔軟に対応することが、私たちの成長の鍵となります。
人材について申し上げますと、少子高齢化が進む中で、将来の業界を担う若手技術者の確保と育成は、喫緊の課題です。
当協会では、産学人材開発部を中心に、「キャリア支援セミナー」や「プロジェクトマネジメント講座」の継続実施、そして大学との連携強化などを通じ、次世代人材の育成に力を入れております。
また、現在の契約形態においてコントラクターに過度なリスク負担が掛かっている点につきましても、経済産業省のご協力のもと、改善に向けた取り組みを進めており、徐々に認知が広がりつつあると感じております。
次に、地球環境について触れたいと思います。
昨年は、気候変動の影響を強く感じさせる一年でした。
海外ではハリケーンや豪雨、山火事などの災害が相次ぎ、深刻な被害が生じました。
日本でも豪雨や異常な高温が続き、都市インフラや日常生活に大きな影響がありました。
こうした状況は、私たちエンジニアリング業界が担う社会基盤の重要性を、改めて浮き彫りにしています。
地球環境対策の「適応(Adaptation)」、すなわち、災害に強い社会づくりの面では、建設工事やインフラ設備を通じて、人々の暮らしを支える「生命線」を担っているという使命を、改めて胸に刻む必要があります。そのためには、従来の発想にとらわれない業務の効率化・高度化が欠かせません。BIM、ドローン、AIなどの先端技術はすでに現場で広く活用されつつあり、建設DXによって業務の効率化や品質向上が着実に進んでいます。
今後は、こうした取り組みを後押しする政策にも期待が高まります。
この「適応」に加え、もう一つの柱である「緩和(Mitigation)」、
すなわち温室効果ガス排出を減らす取り組みにおいても、私たちの業界は中心的な役割を担っています。
エネルギー転換、技術開発、省エネ、CCSなど、多くの分野で社会の持続可能性を支える責任が求められています。
「適応」と「緩和」の両面で、エンジニアリング業界は社会に不可欠な存在であると、強く認識しております。
多くの困難を乗り越えた今こそ、私たちは次の100年に向けて、さらに力強く前へ踏み出す時です。
この一年が、皆さまにとって、そして業界にとって、希望と成長に満ちた年となりますよう、心より願っております。
「困難を乗り越え、未来へ駆け抜ける」そんな一年を、皆さまと共につくってまいりましょう。皆さまとともに本年を歩めることを、大変心強く感じております。
最後になりますが、会員企業のさらなるご発展と、皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念し、私の年頭挨拶とさせていただきます。
2026年1月
一般財団法人エンジニアリング協会理事長



