宇宙エレベータ建設(ご参考)

「機動戦士ガンダム00」などで取り上げられた宇宙エレベータ(軌道エレベータ)。
今年就職された方がそのプロジェクトに関わる可能性は見えてきています。

宇宙エレベータとは

宇宙空間(静止軌道)と地上をつなぎ、物資・人などを搬送するエレベータをいいます。
まだ存在しない近未来の建造物です。

スペースシャトルではダメなのか?

(1)燃料効率の悪さ・コスト高
重力圏の脱出に必要な速度は、11.2km/secです。
現在の化学燃料エネルギーでは、出発時のシャトルの質量の94%以上が燃料でないとその速度は出すことができません。

v:シャトルの到達速度     w:噴射速度
M:出発時のシャトルの質量   m:燃料を使いきった時のシャトルの質量
※大気の摩擦や風などの条件を省いた場合の計算式

(2)環境への影響
エンジンの液体水素と液体酸素の燃焼では、水蒸気だけが残り無害であるが、固体燃料ブースターの燃料は、合成ゴム系の燃料にアルミニウム粉末が混合されており、有毒ガスを発生させる。シャトルの発射時には、半径20キロ程度の範囲に散布されることになる。

地球環境の保全、運用コストなどの面で、シャトルだけではなく、宇宙エレベータの建設も、宇宙時代には必要とされることになるでしょう。

求められるエンジニアリング

地球と高軌道ステーション(右図参照)の間を、時速500kmで横方向の加速度もかかる中移動すると、約3日ほどかかります。
無事に移動させるだけでなく、乗っている人の3日間を「暮らし」、周囲・地球/宇宙環境への影響、なにより未知の宇宙環境での建設と運用。
未知の条件の中で、さまざまなことを考慮しなくてはなりません。
そのため様々な知識と技術の結集と、豊かな創造力が求められます。

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