外務省邦人テロ対策室からのお知らせ-海外安全対策便り(第13号)-

カテゴリー:安全対策支援室 更新日:2023.05.17

5月8日の新型コロナウイルス感染症の5類移行により様々な行動制限措置が撤廃され、日本人の海外渡航も飛躍的に増加しています。しかし、この1週間を見るだけでも、米国テキサス州をはじめとして、在留邦人の多い地域で銃撃や爆発事案が発生しています。
どうすれば身を守れるのかーそんな皆さんのご質問にお答えします。

■こんな時どうしたらー皆さんのご質問に答えて
■今年もやります、官民合同テロ・誘拐対策実地訓練!
■ゴルゴ13からの伝言

こんな時どうしたらー皆さんのご質問に答えて

3月8日のメルマガでのアンケート「こんな時どうしたらいいの」に質問をお寄せいただきありがとうございました!ご質問の中から、特に多かったものにお答えします。安全対策に「正解」はありませんが、皆様の「万が一」のお役に立てば幸いです。

Q1 結局どこが危ないの?

残念ながら、世界中どの地域にも、それぞれのリスクがあります。加えて、コロナで海外渡航が難しかった過去3年の間にも、テロ・誘拐の脅威は全世界で変容しています。

イスラム過激派によるテロは、もはや中東や北アフリカにとどまらず、南アジアや東南アジアをはじめ世界大の広がりを見せているほか、在留邦人の多いヨーロッパやアメリカでは極右・極左過激主義思想に基づく暴力事件が増加しています。

過去半年だけを見ても、以下のような事案をはじめ、世界各地でテロ事件や銃撃事件が多数発生しています(いずれも現地時間。)。

●米国・テキサス州でのショッピングモール銃乱射事件(5月6日、8人死亡、7人負傷)
●セルビア・ベオグラードでの銃乱射事件(①5月3日、9人死亡、7人負傷、②5月4日、8人死亡、14人負傷)
●パキスタン・カラチでの警察本部襲撃事件(2月17日、4人死亡、14人負傷)
●フランス・パリでのクルド文化センター襲撃事件(昨年12月23日、3人死亡、3人負傷)
●インドネシア・バンドンでの警察署自爆事件(昨年12月7日、3人死亡)
●トルコ・イスタンブールでの自爆事件(昨年11月13日、6人死亡、81人負傷)

また、誘拐に関しては、2019年以降世界全体の件数は増加傾向にあり、2019年から2021年にかけて身代金の平均額が約42%増加する等、状況が悪化しているとの報告があります(Control Risks “Kidnap for ransom in 2022 and beyond”)。同報告は、①サハラ砂漠以南のアフリカ、②北米・中南米、③アジア太平洋、④中東・北アフリカ、⑤ヨーロッパの順に誘拐件数が多いとしています。

Q2 目の前で誰かが銃を打ち始めたとき、どうしたらいいの?

強い恐怖とパニックに襲われると思いますが、とにかくまずは床に伏せましょう。そして呼吸を整え、可能な限り平常心を保ちながら、犯人とは別の方向に逃げられるか、周りを確認してください。逃げられそうなら、何も持たずにコンクリートの柱など遮蔽物に隠れながら逃げてください!

もし逃げらそうでなければ、個室に隠れている場合、ドアのカギを締め、机などの障害物で塞いでください。なるべく崩れないように椅子の脚と脚を組み合わせ、出来ればひもやネクタイなどで結わえてください。

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ドアを塞ぐのも難しそうであれば、なるべく気配を消し、物陰に隠れてください。その際、電気を消したり、カーテンを閉めたり、携帯をサイレントモードにするのも有効です。

Q3 爆発音が聞こえた!どうしたらいいの?

屋外で爆発音を聞いたら、すぐに伏せてください!爆風にのってがれきや破片が飛び散ります。姿勢を低くしていれば、飛んでくる物や衝撃は、熱風から身を守りやすくなります。伏せる際には手を組んで頭を守ってください。

しばらくしたら、ゆっくり頭を上げ、周りを見回してください。危険がないことがわかったら、低い姿勢で走って逃げてください。

屋内にいる時は、窓から外を確認しようとせず、カーテンを閉めて、窓から離れてください。爆発は1回とは限りません。カーテンを閉めておけば、窓が割れても下に落ちてくれます。11月11日のメルマガでもお伝えしたとおり、邦人テロ対策室員の一人は、このおかげでガラスが部屋の中に吹き込まずにすみました。

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今年もやります、官民合同訓練!

「こんな時どうしたら」、いかがだったでしょうか。そうはいっても、とっさの時には、頭でわかっていても、どうしても恐怖に足がすくんだり、頭が真っ白になってしまいがちです。そんな事態を避けるには、体で覚えるのが一番です。

邦人テロ対策室は、今年度も、官民合同訓練を実施予定です。訓練には、各国の退役軍人や元自衛官等の危機管理コンサルタントを講師に招き、テロ・誘拐の現場を再現しながら、実践を通じて身の守り方や万が一被害に遭った場合の医療手段等を習得します。私たち外務省の職員も訓練に参加することで、有時の際の官民連携を深められればと思っています。

現時点では、都内で実施する3時間程度の簡易版訓練を夏頃、年末前、年度末前に1回ずつ実施予定です。また、2~3日間かけて実施予定のより本格的な国外版訓練は、年明けをめどに実施予定です(開催都市未定。)。

ゴルゴ13からの伝言

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武器を持った人間に狙われたときには・・・詳細はこちら
https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/pdf/episode7.pdf

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