1984-プ5 海洋情報総合文化センターの構想に関する調査研究報告書

カテゴリー:海洋開発(KKS) 更新日:1984.07.16

エンジニアリング振興協会では参加企業の自主的な研究活動である研究開発部会の一環として昭和55年度から「コミュニティエンジニアリング」という名称を設け、都市や地域の発展のために最新の技術を用いた最適システムの専門技術の確立をめざし、検討を続けてきた。最終年度である昭和58年では事例研究を実施することになり、その一つとして広島県呉市からの要請により「呉市の地域社会活性化の調査研究」をテーマに取り上げた。
その研究では呉市の抱える問題を①次世代産業の育成、②都市の骨格形成、③地域の主体性の確立という3つに集約し、呉市や周辺地域、首都圏での調査から対応策を提案した。内容は、1.「コンピュータリゼーション」、2.「技術と文化の総合拠点の建設」、3.「新しい地域イベントの創造」となっており、本テーマの構想は2の「技術と文化の総合拠点の建設」を具体化するため、「海洋情報総合文化センター」の最適システムの提案を行った。
その内容は以下のとおりである。
1.機能は、産業の高度化の推進と地域社会活動の活性化にある。
2.採算性については、①経営姿勢や経営努力の継続性が重要 ②立地、道路や駐車場などの交通条件、近隣施設との相乗効果などの周辺条件が個々の施設以上に集客の大きな要素になる。
3.波及効果は、施設計画の段階で地域内外の知恵を結集すること。それにより施設完成後の人的ネットワークを形成し、地域の財産となる。文化施設の経済的波及効果も大きい。
4.構想として、呉市の都市構造から拠点を作るには交通網の結節点の必要がある。にぎわいや情報を作りだす母体が必要から、サイエンスセンター、イベントスペース、生活情報センター、地域シンクタンクなどの摂理を提案した。
<分科会長:門田博知(広島大学教授) 委員:10名 オブザーバー:1名
研究員:5名 事務局:1名>

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